Recharge

□間章
13ページ/13ページ

ー松田視点


俺と萩原の因縁の相手…例の爆弾犯が来年動くらしい。

萩原の事件から4年後にこの前の事件があったからもしや…と思っていればドンピシャだったようだ。

「この話、アイツらにもしていいんだよな?」

「勿論。でも本当に事件が起きるかはわからないから参考程度にしておいてね。」

「わかってる。ありがとな、話してくれて。」

公子は『私が流れを変えたからわからない』と言っていたがそれは逆だ。
2年前に俺<警察官>がアイツのプライドをブチ壊したから必ずやってくるだろう。

…だが、今ならまだ一年も時間がある。
無駄足になったっていい、少しでも犯人逮捕に近づけるなら何だってやってやる。


(それが"生きてる"俺が出来る、萩原への………。)



そう沈み込んでいると、突然木枯らしが強く吹いた。
寒さのあまり意識が"今"へと引き戻されると、木枯らしはピタリと止んだ。

『じんぺーちゃんってば、そんな深刻な顔しなさんなって。』

なんとなく、萩から叱咤を受けたような、そんな気がした。





……あれから月日が流れていき、公子は高校2年に進級した。

いよいよ今年かと意気込んでいたが、11月7日を迎える前にまさか公子が小さくとは思ってもみなかった。

(そーいや、萩が公子と会った時よりもチビになってるんだよな…。)

今年の墓参りは色んな意味で萩を驚かせる事になるだろうな、と静かに思った。


次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ