Recharge
□【一章】再装填
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ー学校
数日前に意気込んでいたのも忘れてしまうくらい、のんびりとした日々が続いている。
(う〜ん、今日も平和!平和が一番だわ…。)
休み時間にいつも通りスマホで最近のニュースを見ていると『紙飛行機野郎』という記事があった。
(あれ、これどこかで…。)
記事をクリックして詳細を開く。
「あ、ハム子ちゃん!」
「ぶつかるよー!!」
「え?」
画面に気を取られていて反応が遅れてしまい、振り向くと同時にコツンと何かが頭にぶつかる。
ぶつかったモノを拾いあげると、それは紙飛行機だった。
「…紙飛行機?」
(そういえば紙飛行機で何かする事件があったような…。)
「ワリー、ワリー!」
「大丈夫だよ。はい、どうぞ。」
元太くんに紙飛行機を返し、また席につく。
(うーん…どんな事件だったかなぁ。)
ニュースを見ても事件を思い出せずにいてモヤモヤが広がる。
(こうやって学校でも紙飛行機が流行ってるし、もしかして探偵団絡みの事件かな…。)
詳細が思い出せないままだが彼らを事件に巻き込まないように何かしらの行動はとるべきだろう。
(探偵団絡みなら放課後の公園で…とか、ありえそう。うーん……。)
紙飛行機で遊んでいる三人を少し離れた場所で見守っている哀を静かに呼ぶ。
「哀、私帰るね。悪いけど先生に体調不良で早退したって伝えておいて。」
「え?」
突然どうしたの?と言いたげだったので周りの子達には聞こえないように一歩近付き声をひそめて話す。
「紙飛行機。ニュースでもやってるけど多分何かの事件だったと思うの。あの子達が巻き込まれる可能性がありそうだからちょっと先に何とかしてくる。」
「"思う"って…、内容は覚えていないって事よね?」
「うん。だから哀はあの子達が事件に巻き込まれないように見守って欲しいの。」
「ちょっと待ちなさい…!」
「今日は真っ直ぐ帰るか、みんなで博士の家で遊ぶようにしてね。じゃあ、よろしくね!」
哀が引き止めようとしていたけれど、授業がはじまってしまうと抜け出すタイミングを逃してしまうので足早に教室から立ち去った。