Recharge
□【一章】再装填
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ーリビング
ソファに降ろしてもらい本題を話す。
「紙飛行機、か。確かにニュースで見掛けていたな。」
「これが何か事件の鍵だったと思うんだよねぇ…。」
ネットニュースやSNSで画像をかき集めていけば、この紙飛行機は最近起きていた誘拐事件に繋がっているだろうというところまで推測できた。
「早く助けてあげなきゃ…!」
緊急の可能性も考慮して陣平くんに電話をする。
かいつまんで紙飛行機と事件のことを説明すると、急いで警察と救急を向かわせてくれる事となった。
「…これで多分大丈夫、かな。
事件がどうなったかわかるまではここに居させてもらってもいいかな?」
「勿論。」
ニュースをつけて待たせてもらっている間、秀くんとソファで横並びに座ったまま話していると、薫くんがリビング降りてきた。
「秀一に会えたみたいでよかったね。」
そう言って笑顔でいるのに、どこかヒヤリとした雰囲気を纏っていた。
どうして?と思うまでもなく、心当たりはあった。
それは来た時の玄関での会話。
薫くんは「気にしなくていい」と言ってくれたけれど、連絡なしで来たことは矢張り迷惑だったのだろう。
この場所は今は彼らのセーフハウス…そして職場なのに長居してしまっていることも重ねて迷惑だったのだろう。
「あ…、うん。
薫くん…その、ごめんなさい。色々と配慮が足りなくて。これからはちゃんと気をつけます。」
そう謝罪すると、動きを止め、なんなら呼吸すらとまっているんじゃないか思うくらいピシリと固まった。
「………………それは、どういう意味かな。」
怒りからなのか、絞り出すような声で話しかけられて思わず息が詰まる。
もっとちゃんと謝らないとと思いながらも言葉の出ない私に、秀くんが助け舟を出してたくれた。
「そう険しい表情だと公子が話せないだろう。」
秀くんに指摘され表情を取り戻していたがまだ纏う空気は冷たいままだった。