Recharge

□間章
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<佐藤刑事のお見合い>


「えぇ!?佐藤刑事がお見合い!?」

園子ちゃんと二人で出掛けていると駐禁を切っている由美さんを見かけてた。
「お仕事お疲れ様です。」と声を掛け、去ろうとすると「面白いネタがあるからちょっと待ってて!」と私達を引き止めた。

"面白いネタ"に食いついた園子ちゃんが由美さんと話をしていると、背後からパッパァーとクラクションが鳴らされた。

「オイ、そこのミニパト。勤務中に小学生とダベッて通行の邪魔してんじゃねーよ!」

「ひっ、すみませんでした!……って、なーんだ、松田さんか。」

由美さんのミニパトにクラクションを鳴らしたのは、私服姿の陣平くんだった。

「松田刑事さん!こんにちは。

「よっ。」

小さく手を上げながら挨拶する陣平くんをみて園子ちゃんは「ラッキー♡」と呟きながら目を輝かせたので、その次にでる言葉の想像がついて苦笑いした。

佐藤さんのお見合いをデバガメしたいから連れてって!という提案に陣平くんはあからさまに嫌な顔をしたが、園子ちゃんがあまりにも食い下がらないので面倒くさそうにしながらも頷いた。

料亭に送るだけだからな!と言っていたのに去ろうとせずに遠目で佐藤さんの様子を見ているという事は、陣平くんも思うところがあるのだろう。

恐らく白鳥さんと小林先生が結ばれるのは変わらないとして、佐藤さんは陣平くんと高木さんのどちらを選ぶのか気になるところだ……。





………なんて、想い人から誤解されていることにも気付かず、松田陣平は二人の縁談を眺めていた。実際のところはデバガメお嬢様に呆れた目線を送っていただけであったのだが。

それから少しして二人は高木が来るかこないかで見合いの結末を決めると話を付けたが、いま高木はコンビニ強盗を追っているが犯人がわからず到着は絶望。結果は見るまでも無いだろうと判断した。

「決着は着いたみたいだな、帰るぞ。」

まだ時間も早いことだし公子を連れて出掛けれるな…なんて少し浮かれながら出て行こうとするが、お嬢サマは最後まで結末をみたいらしく出て行く気はないらしい。
そうなると公子も律儀に残ると言い出すもんだから頭が痛い。

一人で先に帰るか、日没までココに居るか。
折角の非番を有効に活用する方法を考えていると、長丁場になると悟ったお嬢サマは公子に絡みはじめた。

「ねね、おチビだったら白鳥刑事と高木刑事どっちが佐藤刑事とお似合いだと思う〜?」

「うーん…。」

お嬢サマのそんな質問に、公子は何故か俺を見てきた。俺(同僚)からみてどっちが似合いか意見でも聞きたいのだろうか。

白鳥と高木。正直どっちが佐藤とくっつこうが興味はないが……。


「悪ィけど、ちょっと行ってくる。

「え…、あ、うん。いってらっしゃい。」

重い腰を上げ、高木のいる事件現場へと向かった。
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