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□鮮やかに
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謙也さん…
貴方は今日も綺麗ですね。

白くてキメ細やかな肌…
太陽の光を反射してキラキラしている髪…
形の整った赤い唇…
澄んだその眼を縁取る長い睫毛…








そして何より










その向日葵のような輝く笑顔…










今日も貴方はその笑顔を、
色んな人に振りまくんや。










苦しい…苦しい…








貴方が他の人に笑顔を見せる…それだけやのに、何でこんな苦しいんやろう?







簡単や










俺が謙也さんを好きやから








ただそれだけ









大好きな謙也さんのその笑顔を、傍で見れるだけでええと思ってた。









やのに










この気持ちを確認してしもたら、謙也さんを自分のモノにしたなった。 






そう思い出すともう止まらへん。
嗚呼、理性の糸は何故こうも容易く切れるのか...
プツンと俺の中で、音がした。


















ねえ、謙也さん










                                 
俺、貴方をもっと綺麗にする方法知ってるんスよ
                      












貴方のその白い肌に











                      

赤のコントラストは













めっちゃ綺麗やと思いません?















俺は謙也さんを部屋に閉じ込めた。












ホラ…めっちゃ綺麗ですやん、謙也さん
その涙溢れる眼も…
ナイフで、急所をワザと外して刺す度に、貴方は悲鳴をあげて…その声も綺麗なんですよ?
刺した所からダラダラ生温かい液が溢れる。
俺はそれを舐めた。


「謙也さん…甘いッスわ。」




チラリと謙也さんを見ると痛みに耐えているのか、息が荒く、めっちゃ色っぽい表情をしていて、俺はたまらず、謙也さんにキスをした。
舌を絡ませて深く、深く…。
唇の端から零れる唾液も舐めとった。




「謙也さん…俺は謙也さんを犯したくて犯したくてしょうがないんですわ。
......いいですよね。」






謙也さんを前にして、耐えられなかったのだ。






俺は嫌がる謙也さんと無理矢理一つになった。








貴方を犯しながら、
俺はどんどん刺していく…

乱れて、快感に身を委ねつつ、
痛みに苦しみ、顔を歪ませ、泣き叫ぶ…





綺麗…綺麗すぎますよ、謙也さん









次は何処に刺しましょか?








もうそろそろ急所でもええですよね

















その白い首筋にします
















最後に見た謙也さんの眼は、俺への恐怖に満ちていた







ゾクリと、鳥肌が立つ




嗚呼、謙也さんが俺の事考えてくれてはる...





「嬉しいですわ、謙也さん...
...早くぜーんぶ俺の物になってくださいね?」







俺は謙也さんの首筋に、錆色に鈍く光る刃を突き立てる。



悲鳴はもう、聞こえなかった。






真っ赤な鮮血が吹き出して、ただでさえ赤く染まっていた謙也さんが、もっと赤く染まった。
もうピクリとも動かない。







「フフ…フハハハハ…
アハハハハハハハハハ!!!!!」







部屋に俺の笑い声が響いた。










綺麗ですよ、謙也さん
赤くて、赤くて、赤くて、
赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤...

やっぱり白に赤は映えますね?





本当に綺麗です








《鮮やかに》


美しく染まった謙也さんは、
もう永遠に俺のモノ






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