七色の虹達の話
□あつくあまいことば
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八乙女と共演していたドラマのクランクアップが終わり一段落したあと俺は八乙女に「一緒に飲まないか」と誘われて八乙女の自宅に行った。
その時八乙女の自宅で起こった出来事。ビールの缶のプルタブに指をかけて開けようとした時、まだ飲んでもいないのに八乙女が突然
「思ってたんだけどよ…二階堂って男のくせに可愛いよな」
抱かれたい男No.1が綺麗な微笑みを浮かべながら告げてきた。こいつは頭がイカれたか?それとも馬鹿か?
可愛い、と告げられた人物は今をときめくアイドルグループであるIDOLiSH7のリーダーの俺こと二階堂大和である。
「あのな、お前さん…男に可愛いなんて使わないはずだが?」
少し不機嫌そうな声色を出し目をじと、と少し睨むように見つめてやる。すると
「そんな目しても俺を煽るだけだぞ?二階堂?」
くすり、とムカつくほど綺麗な笑みをかまされた。無駄なところで使いやがって…。
「は?お前、頭大丈夫か…どこいくんだよ?…ってやめろ、退け」
突然缶を奪い取られ机に置かれたのを確認するとベッドに連行され押し倒された、男に。抱かれたい男No.1に。ばたばたと抵抗しているが…身長差が悔やまれる。意外と八乙女はでかい。
「お前、筋肉付いている割には細い。ちゃんと食ってるか?」
腕を優しく撫でられ「ん、っ」と変な声を出してしまい咄嗟に口を抑えて声を漏らさないようにした、絶対こいつに声なんか聞かせてやるか…!
「食ってる、から退けよ…っ!」
「いやだ、お前いじるの楽しいし。それに、好きなやつ目の前にしてお預けくらって我慢できるほど俺は、出来てねぇよ」
…は?こいつ、何言ってんだ?
「好きって…お前さん、俺のことが…あぁ、友達として悪ふざけしてるのな、わかっ…」
「馬鹿かてめぇは…恋愛感情の好きだよ。鈍すぎる、二階堂」
呆れたようにため息をつく八乙女。それさえ様になるから余計腹立つ…
「は、いやまてまてまて…なんで?第一、お兄さんは男だ。女みたいにふにふにしてないし、筋肉あるし…かたいし」
ぶつくさ反論すると、八乙女の手が俺の両頬に添えられ顔の向きを固定され
「俺は大和の全てが好きだ。掴みどころないけど可愛げあるところ、演技している時の顔、IDOLiSH7のメンバーと仲睦まじく笑いながら喋っている顔、お酒飲んで少し顔を赤らめている顔…全て好きだ…愛してる」
とても真剣な表情で告げられ、しかも目まで本気…だ。
「…っ、え、あ….っお前、馬鹿じゃねぇの…?いくらでも、女捕まえられるのに、よりにもよって、俺とか。意味わかんねぇよ」
「お前しか愛せないわ、絶対…他のヤツに興味わかねぇし、お前にしか興奮しねぇよ」
顎の下を撫でられ変な気分になってしまった…絶対、野郎には反応しねぇのにこいつの手には…反応しちまう
「ん、ゃ…めろっ」
身を捩り抜け出そうと抵抗しても直ぐに抱き締められ逃げれなくなり
「逃げんなよ…んで、返事は?YESかNOぐらい言えるだろ?」
唇を指先でつー、となぞりながら目を細めて見つめてきやがる、こいつ確信犯かよ…
「っ…ぃ、え…す」
「聞こえねぇな…もっとちゃんと言えるだろ、大和?」
耳元で吐息混じりに囁いてくる、甘くテノールの声が俺の耳を刺激してくる
「っふぁ…っ好きだよ、くそっ」
悪態をついてやりぷい、とそっぽ向くと
「素直じゃねぇの…そこが可愛いんだけどな」
無理矢理相手の方に顔を向けさせられると唇に温かいものがおしつけられ…っん!?
「おまっ…きゅ、うに…きす、するなっ!」
自分でもわかるくらい顔を赤くすると
「反応可愛すぎかよ…っ」
頭を抱えだしてる、なぜだ…?と考え事してると
「そこまで夢中にさせてくれたの、大和が初めてだ…愛してやる自身しかないから、ついてこいよ」
うわぁ、女に言ったら間違いなく落ちる言葉なことで
「はいはい、ついていってやるよ…楽?」
態とらしく甘い声で下の名前を読んでやった
「ふ、可愛いこった…永遠に手放してやらねぇよ」
にこり、と微笑むと再びお互いの唇を押し付けあった
〜end〜