smbr男主長編

□にねんまえ。
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 ──それを、貴方へ尋ねたのは。ほんのきまぐれだったのかもしれないし、或いはもう、僕の心が弱り始めていたのかもしれない。

 昼下がり。中庭。向かい合って、そうしてかち合う視線。

 …貴方の、あおいひとみ。

 問に対する貴方の返答に、貴方のような人でも、そう思うのかと。僕は、微かに安堵して──

 ……同時に。そう思ってしまった自身の傲慢さを、嘲笑っていたのです。




にねんまえ。




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