smbr男主長編
□さんねんまえ。
1ページ/4ページ
─あの日のことは。思い出すと、今でも胸が軋むかのようで。
汚い穢い醜い僕は、あろう事か過去の悪夢に、貴方という存在を重ねたのです。
嗚呼──嗚呼、ああ、ああ!!もし、もどれるならば。僕はきっと、あの日の僕を殺すでしょう。貴方という光を疑った、愚かな僕を。
……けれど。同時に、どうか赦してほしいと願う、傲慢極まりない自分も居るのが確かで。
──嗚呼、僕は、本当に。どこまで汚れて穢れれば、気が済むのでしょう?
(こたえはきっと、いのちのおわるそのときまで─)
(──否。しんでもきっと、わからないままだ。)
さんねんまえ。
*