断固拒否!
□閑話
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薄暗い、どこまで続いているのか、壁や床があるのかもわからない空間を必死に私は走る。
そんな私を追うのは、真っ黒い2本の腕。
疲れている。それでも息を切らしがらも延々と走り続ける。
ただ、それも限界だ。
ふらついた足元を、待ってましたと言わんばかりに黒い手が救い上げ、転んだ私の足を掴む。
まずいと思った時にはもう引きずられていた。
大声でイヤだと叫んでも、なぜかこの空間には響いて聞こえない。それどころか自分の声が出ているはずなのに、無音にすら思えるほどに、この空間は音を吸い込んでしまう。
もがいて、あるかもわからない床に爪を立てるように指を曲げる。そんなことをしても、確実ンずるずると引きずられていくことに対し、絶望感を覚えながらも、頭に鈍い痛みを感じた。
いやだ……
こわい………
こわいーーー
連れて行かないで……!
その先にはいってはいけない。いけない…
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