本編編
□ユフィと添い寝
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翌日、ゴールドソーサーでユフィの誕生日会が開かれた。みんなでゲームにスクエアを周り、劇場を周り、チョコボレースを楽しんだ後、個室を借りてのパーティーとなった。
あるものは食事を食べ、あるものは酔い潰れ、あるものは束の間の休息に酔いしれた。
朝から始まったそのパーティーは、午後2時には終わり、一同は宿の部屋に戻る。
「ねえ、ヴィンセント。せっかくだからゴンドラ乗ったり、ジェットコースター乗ろうよ」
「フッ。いいだろう。」
ヴィンセントは、うっすらと笑みを浮かべた。
「ヴィンセントから、そんな言葉が出るとはねー」
「いけなかったか?」
「ううん。ちょっと嬉しい。」
「ユフィが喜んでくれるなら…。」
そう言うとユフィは子供のように喜び、私の腕を引っ張ってゴールドソーサー中を連れ回してくれた。
そしてゴンドラに乗ると、はしゃぎながら花火を見ていた。
「きれいー。花火ってきれいだねー。」
そんな風に素直にはしゃぐユフィの方がよっぽど可愛い。ユフィは私に背を向けゴンドラの椅子の上に立膝をつき、窓を眺めている。
こちらからは、ユフィの後ろ姿がよく見える。短パンから出ているスラッとした白い脚が眩しい。
見とれていると、不意にユフィはこちらに向き直った。少しずつ私の前に近づく。
「花火きれいだね。」
「ああ」
私は掠れた声でそう答えて、少し俯いた。
すると私の左頬に冷たく柔らかい感触が触れる。
ユフィにキスされたのだ。頬に。
私は一体何度ユフィに不意打ちのキスをされるのだろうか。
「そういうフンイキかなって…」
「そうだな。ユフィ。」
「ヴィンセント照れてるでしょ。可愛い。」
イタズラな顔でそんなこと言うユフィ。私はユフィを抱きしめた。離したくない…。
しかし、無常にもゴンドラは終着点となった。
「じゃあ、次ジェットコースターでもいい?」
「うーん、私は絶叫系は苦手なのだが」
「それを聞いたら、もっと周りたくなるー」
「ユフィ。私を振り回して楽しいか?」
「ヴィンセント嫌かな」
「そうでは…。おや?あれはクラウドとバレットでは?」
「え、うそ。あ、マジで?」
ゴンドラの乗り場の下のエリアをうろつくクラウドとバレットが居た。
あれ、ティファとエアリスはどうしたのだろうか。
そっちに目線が行ったユフィに後ろから抱きつき、唇を引き寄せ割と強引にキスをした。
「不意打ちのキス。やったらし返すからな。」
ボソッと。私は伝えた。
ユフィの顔は赤かった。
「もうバカ!」
こうして夜は深けていった。
部屋に戻って
「そういえばティファにセフレ?って聞かれた…」
「セ、セフレだと?それは随分と誤解されているな。確かに一緒に寝てはいるが…。」
「そうだよね…。」