本編編

□デートの話(短編)
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それから、しばらくクラウドはユフィとヴィンセントでパーティーを組んだ。
「クラウド!敵だ!」
「クラウド!ここはアタシに任せて!」
戦闘になると意気揚々と怯むことなくユフィはモンスターを倒して行く。かすり傷一つ追うことも殆んどない。
「強いんだな。」
「根暗のアンタよりマシさ!」
「いちいち、暴言つけて呼ぶな。年頃なのだから、少し言葉遣い気をつけろ。」
「うっぜーー。親か?」
(もしも、ルクレツィアと私が結婚し娘が生まれていたなら、こうはならなかっただろう。いや、16歳てことは、孫でもオカシクナイ年齢なのかこの娘)
そしてこの娘はやたら悪態ばかりついてくる。この私のこのナリや雰囲気が苦手、嫌いなのだろう。
「ユフィ、悪いが私はヴィンセントだ。名前で呼んでくれないか?私が嫌いなのは構わないが、せめて呼ぶ時くらいは、ゾンビ男とかはやめてくれないか?」
「は?アタシあんたのこと嫌いなんていつ言った?嫌いなんて思ったことないよ。勘違いしすぎで頭悪そーとは思ったけど。フフフ」
ユフィはイタズラに思い切り笑った。
「あんた良く見ると、イケメンだから特別に許してあげる。ヴィンちゃん!」
「そ、それはどうかと」
「えー、注文多いなー。名前長すぎて言いにくいからムリー」
「俺もヴィンちゃんでいいか?」
「く、クラウドまで!」

そしてゴールドソーサーデートイベントからケットシーイベントまでのこと。

「ユフィはクラウドとデートにいったみたい。年下の子に負けるなんてー」
「あの子、かなり強気よね。クラウド押されそう。」
「それは大丈夫な気がするわ」

部屋の外で立ち話中のエアリスとティファの話が聞こえて来た。
ユフィはクラウドが好きだったのか。意外だな。いや、別に構わないのだが。

なのに何故か足は観覧車の方まで向かっていく。決してこれは気になる訳ではない。あのうるさい娘がデートくらいまともにやれるのか?まあ親心のようなものだ。
するとユフィとクラウドは観覧車から出て来た。そしてクラウドと別れていった。

「あれ、ヴィンちゃん!」
「たまたま通りかかっだけだ。」
「なにも聞いてないのに(笑)」
「あ、いや、クラウドとは?」
「あいつ、ムリ!マジムリ!ティファもエアリスもどうかしてる。あんな草食ダンシは。こっちがキスしても、ぼーっとしてんの。ふつー抱きしめるとかしない?嫌なら突き飛ばすとかリアクションないとわからないよね。」
「キスしたのか?」
「そーだよ。でもアイツ愛想なくてつまらなかった。」
「そんな軽々しくキスなんて。」
「ヴィンちゃんも草食なんだね。キスくらいいいじゃん」
「ダメだ。キスは私以外とはするな」
そう言って、私はユフィの唇を奪った。「え、ちょっと〜。ヴィン?んっ。」
いきなりのことにユフィも驚いたが、数秒でユフィも私の唇から離れようとしなかった。
私の唇を味わっていたようだ・・・。

唇を離して、私のほうが我に帰った。
アレ、私は何をしているのだ。11歳も年下の娘に。
「ヴィン。ごめんね。ゾンビとか酷いこと言って。」

私が謝ろうと思ったのに、この娘の方が謝りだした。
なぜだ?私は、私は。おかしくなりそうだ、

「ヴィンセントのキス上手いね。ゾクゾクした。惚れちゃう。」
「ダメだ。年頃の女の子が私の事など」
「じゃあなんで、今キスしたの?」
「あ、いや、それは気まぐれだ」
「ホント、ヴィンセントって嘘がつけないね。アタシのこと好きなんでしょう?だから、ここまで様子見に来てくれたんでしょう?」

この私がこの少女に恋だと?
許されるものか、それにルクレツィア。ルクレツィアになんと申し訳ないことを。

「いいんだよ。ヴィンセント。過去にあったことは消せないけれどね。
でも今のここにある気持ちに素直になった方が、絶対楽になれる。
どんな過去だってこれからの幸せの為にあるんだから。」
ユフィは自分自身の心臓のあたりに手を置いて話した
真剣に話すユフィの顔を見て、私は・・・すっかりユフィに溺れてしまった。
これから先のことはわからないけれど、今、君を愛しいと思う。
「ユフィ、好きだ・・・。」
「うれしいよ!ヴィン、ね、まだ時間ありそうだから、ヴィンと観覧車乗りたい。
ちょっとゆっくり話たいな。」
「フ・・・、いいだろう。キスが何回できるかな。」
「アンタ、ムッツリ、ヘンタイだなー。」

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