本編編

□ZEROにつながる物語
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私は愛しい人を救えなかった。愛しい人が本当に愛する男に私は撃たれ、肉体を改造され、死ぬこともできない身体になった。これは、愛しい人を救えなかった罰なのだ。
神羅屋敷の奥深くの棺桶で眠り続け、悪夢を見ていた。

そんな私に一筋の光がさしたのだ。セフィロスを追う一行、
クラウドたちと仲間になった。

最初は私を不気味におもい、みんな距離を置いていた。それも当然だった。
最年少の少女ユフィは「暗くてなんか怖いし、ちょっと苦手・・・」とおびえているようだった。こんな幼い少女もいるパーティについてきてよかったのだろうか?

最初は、そう思っていた。

コレル山の途中でユフィとヴィンセントをパーティ編成する。

ヴィンセントなかなかやるね。と上から目線のユフィ。

ひっくしょん。

ユフィが物凄く抑えて可愛いくしゃみをした。
ユフィをよく見ると肌の露出が多すぎて目のやり場に困った。

「そんな薄着だからだ・・・。もう少し戦闘のことも考えた服装をした方がいい。」

「余計なお世話だよ・・・。それにこっちの方が戦いやすいもん。」

ユフィは暗い男ヴィンセントに話しかけられて正直焦った。
早めに会話を終えようと答えて目をそらす。

「これを巻いておけ」

ヴィンセントは自身が巻いている赤いマントをユフィに差し出す。
ヴィンセントなりの思いやりのようだ。

「あ、ありがとう。」

ユフィは面喰いながらも、ヴィンセントをまじまじ見ながら、
少し照れ臭そうにマントを受け取る。

なんか、やさしいところあるじゃん・・・。てゆうか、よく見るときれいな顔、瞳も・・・。
ことの時少しヴィンセントに対する見方が変わったようだ。

コレル山でそのまま野宿となった。ヴィンセントは寝ずの火の番をしていた。

しかし、少しウトウトしてしまう。ふと悪夢を見てしまうのだ・・・。
うなされるヴィンセントに気が付き、ユフィはテントから出てヴィンセントの傍らに座る。
「ヴィンセント・・・、大丈夫?」

ヴィンセントはユフィの声に目を覚まし、落ち着きを取り戻した。

「すまない・・・。ユフィ。起こしてしまったようだな。」

「別に大丈夫だよ。アタシは・・・。」

「不老不死なので寝なくてもいいのだが、時々眠りについてしまう。決まって悪夢を見てしまうことが多い・・・。」

「そっかー、便利なようで不便な身体なんだね。そうだアタシ夜更かし好きだし、それなら宿屋では寝ないようにつきあってあげるよ。」

「いや、それはユフィに悪い・・・。」

「でも、けっこううなされてたよ。ほかのメンバーも起こしちゃうよ。」

「迷惑をかけてしまってるようだ・・・。」

「落ち込まないで。遊んであげるから。ゲームしたり、映画見たりさ、アタシもしたいし」

ユフィにとっては夜更かしして遊ぶ相手がほしかっただけかもしれない。
だが、次の町についてから宿屋の部屋割りを変えてほしいとクラウドに伝えていた。
クラウドは驚いて最初は断られた。

だが、その夜私ははげしくうなされ、宿屋からクレームが来た。

そして、ユフィと夜更かしでもして起きていろとクラウドからの命令が下された。


「ユフィ、お前は普通の人間だ。旅に差し支えないよう、眠くなったら寝なさい」

そう伝えたからかわからないが、ひととおり遊びつかれるとユフィは子供のようにぐっすりとベッドで寝てしまう。ヴィンセントはそんなユフィに布団をかけてあげて、シャワーをしてヴィンセントもベッドにもぐりこむ。

眠れない日はユフィの顔をひたすら眺めていた。

眠たくなると同じベッドで寝てしまう。ふと朝ユフィに起こされることもあった。

「熟睡してたね。」

なぜかユフィと部屋を共にするようになってから、悪夢を見ることがなくなった。

時にはゲームをしたり、映画をみたり。私が眠りにつく前、もっと若いころの懐かしい映画だったり・・・、静かに読書をする日もあった。ユフイが売店で買ってきたスナック菓子を
広げて食べる日も・・・。

ウータイでマテリアを持ち去られた日には、ヴィンセントは非常に困ったのであった。

「ユフィ・・・、私はお前がいないと眠れず・・・、困った」

「ごめんね。ヴィンセント。旅に間は一緒にいてあげる」

そう言ってユフィはたびたび私の部屋にやってきてベッドに潜り込んできた。

ユフィは私にだいぶ慣れてきたらしく、気軽に抱き着いてきたり、頬にキスをしてきたり、ひどいときは胸を腕に押し付けてきたり・・・。

ちょっと年頃の女性だからか読書する本もどこか性的な描写が多いものが多かった。
私は気づかないふりのしていたが、ユフィは「こんな体位したことある?すごくない??」
どちらかというと、興味深々にあまり恥ずかしげもなく、普通に話しかけてくる。
何を考えているのだろうか・・・。なんて癖の悪い娘だろうか・・・。

しかし、私もユフィを手放すことができなさそうだ。

「お前ユフィとどうなってんだよ」
クラウドに疑問をもたれる。
「ユフィは・・・・、抱き枕だ・・・」

「年上専、面食いの変態だと思っていたが、ロリコン変態でもあったのか・・・。なんか、変態だなお前・・・」

クラウドにひどい言われようだった。

確かに私は旅の間、ユフィが軽々しくくっついてくるのをいいことに、ユフィに触れることをやめなかった。時には眠っているユフィを抱きしめて寝ていた・・・。私は最低な男だった。

旅が終わり、ユフィがウータイの後を継ぐ修行をしていることを人づてに聞いた。

もう私のことなど追いかけてくることはないだろう・・・・。そう思い心を切り離した。
しかし、ユフィからは毎日電話がかかってきた。携帯が鳴りやまない。消して私は出なかった。これ以上、ユフィと関わっていたら私は・・・・。
ユフィの夢、ウータイの復興の足を引っ張るどころか、平和も脅かしそうで。

クラウドに電話しないように言えといった。

そして、AC,DCの事件が起きたのだった。

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