長編 〜本当の君を教えて〜
□6話
2ページ/3ページ
「家すごかったね」
若「うん、びっくりした」
「でもなんか知られたくなさそうだった」
若「早く帰ってって感じだったね」
あの家に住んでることを
知られたくない理由なんて分からないし
深入りするつもりもない
「明日何時に出よっか?」
若「早めに出なきゃね」
夢華も深入りする気はないから
その話題はすぐに終わった
最寄りの駅に着く頃には
お互い1日の疲れが出て来てるから
会話なんて無い
ただ、その空気すら心地いいのは
隣にいるのが夢華だから
若「付き合わせてごめんね」
「ううん、楽しかったよ」
じゃあ、そう言って別れようとした時
「家寄ってきなよ」
振り向くと夢華は優しい顔をしてた
学校では見せない顔に安心する
若「…ありがと」
なんで分かっちゃうんだろう
夢華はいつだって気付いてくれる