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□悲しみの裏側に[修兵]
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私の人生は…あの日を境に変わってしまった。悲しみを乗り越えるために、貴方から離れたのに。運命のいたずらって…ホントにあるのかもね。
私は最近九番隊から十三番隊へ移隊してきた。理由?…そうね…私は九番隊は合わなかった。そんなある日、急に浮竹隊長から呼び出された。


「西園寺。実は九番隊から援護要請が来てるんだ。すまないが一ヶ月九番隊へ補佐をお願いできないか?」


『!!!……あの!!…それは…私じゃなきゃダメ…なのでしょうか…。』


「あぁ…。檜佐木副隊長が、君を指名してきたんだ。」


『……そう…ですか…。わかりました。それでは九番隊の補佐の件、承知いたしました。』


「補佐と言っても瀞霊挺通信の補佐みたいだから、そんなに難しい仕事ではないはずだ。では、よろしく頼んだよ。」


『…はい。』


私は隊首室から出ると、深いため息をついた。


「何だかお疲れの様だな、菜桜。」


『ルキア…。』


「ちょっと話さないか?」


私はルキアの後をついて行った。しばらくすると裏庭に着いた。ルキアが歩みを止めると急に振り返った。


「菜桜。九番隊の補佐に行くんだってな…。」


『うん。檜佐木副隊長からのご指名なんだ。ルキアとはあんまり会えなくなって、何だか寂しいな…。』


「しかし!!会えないと言っても全然会えない訳ではないのだ。私もたまには九番隊へ菜桜に会いに行くぞ。だから…そんな顔をするな!!!」


『う…うん。』


ルキアはきっと私が落ち込んでるのは一ヶ月ここを離れるからだと思ってているんだろうな。でもルキアの優しさが嬉しかった。確かにここを離れるのは寂しい。でも私の中にはもっと深い闇があるんだ。
私はその事を話したくなくて誰にも打ち明けられずにいた。


『ルキア、お昼一緒に休憩出来たら、ご飯食べ行こ。』


私の言葉が嬉しかったのか、ルキアの顔がパッと明るくなった。


「ホントか!!!では約束だぞ。私は菜桜のその言葉が聞けて安心した。」


『じゃ楽しみにしてるね。あっ…そろそろ九番隊に行かなきゃいけないんだ。』


「そうか。時間を取らせて悪かった。」


『ううん。じゃ…行ってくるね。』


私は笑顔のルキアと別れ、九番隊へ向かった。
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