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□逆転生活[恋次]
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『恋次のバカ!!』
「バカだと!?仮にもお前の上司だぞ!!」
『何それ?こういう時ばっかり上司面するのね!!』
「大体お前はなぁ!!」
…また始まったよ…。六番隊執務室から聞こえる怒鳴り声…。隊員達はため息を付くといきなりドアが「バン!!」と開いた。
『もう!!知らない!!私、配達行ってきます!!』
「おい!!まだ話は終わってねぇぞ!!」
『話す事なんてないんだから!!恋次も上司だったらさっさと仕事したら!!朽木隊長に怒られても知らないんだから!!』
「ちょ…待てよ!!」
「恋次さん…また喧嘩ですか?」
ため息交じりに利吉が声を掛けてきた。
「……うるせぇよ。」
「どこ行くんですか?恋次さん?」
「…俺も配達だよ!!」
ムカつきが収まらず俺も隊舎を出て行った。そして…
「ったく…どう思います?阿近さん?」
十二番隊にいた。
「……知らねぇよ…。」
「そんな事言わずに俺の話聞いてくださいよ…。」
「そういう話は他所でしろ。何で俺んとこに来んだよ。」
「だって…乱菊さんや檜佐木さんに話すと…菜桜の肩持つんスよ。」
「……当たりめぇだよ。誰がお前の肩持つかよ。」
「阿近さんそれ酷くないッスか?つうか、俺に菜桜の気持ち考えろって言われても…わかんないッスよ!!俺は菜桜じゃねぇんだし…。」
「阿散井…それならいい方法があるぜ。」
阿近さんの口元がニヤッとした。
「…何なんスか、阿近さん…それって何かヤバイ事考えてんじゃないッスか…。」
「お前と一緒にすんなよ!!これだよ。」
そういうと、俺に綺麗な紙に包まれた一個の飴を渡してきた。
「これを西園寺に食べさせろ。」
「えぇ!?…何か…凄く…怪しいッスけど…」
「お前…西園寺の気持ち知りたくねぇのか。」
「………わかりましたよ。食べさせればいいんッスね。」
「食べさせた後…キスするのも忘れんな。」
「ハァ!?そんな事したら余計に怪しまれるじゃないッスか?」
「適当に「お前の顔見たらキスしたくなったとか」言えばいいだろうが」
「………。」
阿散井の視線が突き刺さる。
「何だよ…。」
「い…いえ……阿近さんも、そういうセリフ言うんだな…って思って…。」
「つべこべ言わずにさっさと行け!!!!」
「!!!…は、はい!!」
「…くそ!!俺としたことが…。まぁいい、被検体が見つかったんだ。後は…こっちでデータ収集でもすっか。」
怪しい笑みでドアを見つめた阿近。阿散井は菜桜の元へ走って行った。