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□幸せの形[恋次VS一護]
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最近、菜桜の事で気になる事がある。
あいつは真央霊術院からの同僚でルキアと同じクラスだった。きっかけはルキアが初めて出来た友達だと俺に紹介したのが菜桜だった。
ルキアはたまたま隣の席で、いろいろ話しているうちに仲良くなったと言っていた。
背はルキアより少し高く…って言っても正直どっちもどっちなんだけどな…。喜怒哀楽が激しく、コロコロ表情が変わるとこが好印象だ。
かと言って菜桜の事を女として見れるかというと、正直恋愛感情はこれっぽっちもねぇ。ルキアが家族なら、菜桜は親友。
それがなぜ、菜桜が気になるかと言うと…
最近の菜桜は何だか雰囲気が変わった様な気がした。外見やしぐさが変わったとか、彼氏が出来たとかじゃねぇ。何が違うかって言われると…上手く説明出来ねぇ。
そんな事を考えていたら、遠くの方で手をブンブン振って俺の名前を叫ぶ奴がいた。
『恋次〜!!』
息を切らしながら俺に駆け寄ってきた菜桜だ。
「おぉ〜菜桜じゃねぇか。…配達か?」
『うん!!たまには配達して外の空気吸って来たら?って京楽隊長が言ったの。』
えへへと笑いながら配達の書類を俺に見せてきた。
「これからどこ行くんだ?」
『後は十三番隊で終わりだよ?』
浮竹隊長のとこか…俺はふとルキアの顔が浮かんだ。
「そういや、ルキアとは最近会ってねぇな…。」
俺が呟くと、菜桜がハッとした顔をして
『ねーねー!!んじゃ恋次も行こうよ!!』
菜桜がキラキラした顔で俺に提案してきた。俺も少しならいいかと、菜桜と十三番隊に行く事にした。
一緒に並んで歩いてる時に、そっと菜桜の横顔を見た。いつもと変わらない菜桜。でもやっぱり雰囲気が違う…気がする?俺がじっと見つめていると、菜桜が急に立ち止まった。
『ねぇ、恋次。さっきからずっと私の顔見てるけど…何か付いてる?』
いきなり上目使いで俺を見上げた。…何だか…色っぽい?俺が黙っていると
『聞いてる?』
首をかしげて俺を見た。
「べ、別にお前の顔見てた訳じゃねぇよ…。」
視線を外すと、菜桜の手が俺の頬に触れた。
『うそ!!絶対見てた!!っていうか…恋次、顔赤いよ?』
俺の心を見透かされた気がした。
「うるせぇ!!何でもねぇよ。ほら、さっさと行くぞ。」
『恋次?ちょっと!!置いてかないでよ!!』
俺は菜桜に気持ちを悟られない様にと歩みを進めた。
十三番隊に着くと、菜桜は書類を隊員に渡しルキアを探した。すると
「菜桜?久しぶりだな。」
ちょうど曲がり角でルキアと出会った。
『ルキア〜ホント久しぶりだね。』
菜桜はルキアの手を取りブンブン振った。
『私はね、たまには気晴らしに配達行って来たら?って京楽隊長が言ってくれて、珍しく配達してるんだ。それでね、途中恋次と会って、恋次もルキアと最近会ってないって言うから一緒に顔見に来たんだよ。』
そう言うと菜桜は俺の方に振り返りニコニコ笑っていた。
「そういうこった。ルキア…元気そうじゃねぇか。」
「そうだな。新人研修の担当になってからいろいろ忙しくてな。」
『そうだったんだ…。ねぇ、ルキア、恋次折角久々に会ったんだから三人で餡蜜食べに行こ?』
菜桜がキラキラした目で俺とルキアを見た。
「急だな。でも少しなら時間が取れるかもしれぬ。」
「俺も別にいいぜ?」
『やったー!!んじゃ早速行こうよ!!』
はしゃぐ菜桜に引きずられ、俺とルキアは餡蜜屋に向かった。