カフェオレ

□姉弟
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プルルルルル・・・プルルルルル・・・
巫女「はいもしもし」
巫「姉ちゃん」
巫女「あ、巫?久しぶり〜。どうしたの?」
巫「うん。明日電車でそっちに行こうと思って。明日は僕もちょうどヒマだし。昼ごはんは着いてからどこかで食べるから、お昼過ぎには来れると思う」
巫女「はーい」
巫「あ、そうそう。そろそろいい人見つかった?」
巫女「うん。そのことなんだけどね、実は少し前から同棲してて」
巫「えっ、よかったじゃん!お父さんとお母さんに報告したらきっと喜ぶよ。じゃあ、ついでにあいさつするかな。とにかく、明日来ること忘れちゃダメだよ」
巫女「はいはい。わかってるって。じゃあまた明日」
巫「うん。バイバイ」
弟との電話を終えるとさっそく遊戯が質問してきた。
魔王様「さっき、誰と話してたんだ?」
巫女「うん。私の弟。明日のお昼過ぎに来るって」
魔王様「そうか。じゃあ久しぶりだな」
巫女「そうね」



次の日のお昼過ぎ、読書をしているとインターホンが鳴った。
巫女「はーい」
巫「久しぶり!」
巫女「久しぶり〜。あがっていいよ」
巫「おじゃましまーす。あ、そうだ。姉ちゃんこれ。お父さんが『野菜がいっぱい出来たから持っていって欲しい』って」
巫女「ありがとー!今年も豊作だね!適当に座ってて。なにがいい?」
巫「じゃあコーラ」
巫女「オッケー。遊戯は?」
魔王様「じゃあオレはコーヒーで」
巫は昔からコーラが好きだから、巫女は前の日にコーラの缶を買っていた。その間に、2人はあいさつをしていた。
巫「初めまして。巫女の弟の巫です」
魔王様「よろしくな。オレは遊戯」
巫女「お待たせ。コーラは缶だけどいい?」
巫「うん」
魔王様「2人はかなり仲がよさそうだが、姉弟喧嘩したことなさそうだな」
巫女「まあ私が喧嘩になる前に巫に物を譲ったり、何かを分けるときにも大きい方をあげてたから、喧嘩にはならなかったな。『とにかく弟の思い通りにさせてあげよう』っていつも思ってたから」
巫「僕が負けず嫌いだったので、ゲームするとき、姉ちゃんはいつもわざと負けてましたけど」
魔王様「ほんとに仲がいいんだな」
巫女「あ、でも私が小学1年の頃に喧嘩になって。私が宿題してる時に巫がピアニカ吹いてたから『静かにして』って言ったら巫が『やだ』って言ってそこから喧嘩になった」
魔王様「そこからだったのか」
巫女「ちなみに私の地元の幼稚園は2年制なのね。当時巫は幼稚園の年少だったからっていうのもあったと思うんだけど、宿題中にうるさくしたら集中できないっていうのが、まだわからなかったのかも。それでお母さんが止めに入って巫を叱ったら、巫が逆ギレしちゃって」
巫「そんな事あったっけ」
巫女「巫が幼稚園生の時だったからね。でも姉弟喧嘩はそれっきり」
魔王様「じゃあもう全然喧嘩していないじゃないか」
巫女「うん。喧嘩になると、いろいろ面倒な事になりそうだからっていうのが喧嘩をしない理由。でも結局は巫が私に甘やかされて育ったのかな・・・」
魔王様「なあ。もっと聞かせてくれないか?何かさっきのようなエピソードとか」
巫女「そうそう!こんなこともあった!」
姉弟の思い出話は夕方になるまで続いた。


巫「じゃあ、またいつか来るね」
巫女「うん。気をつけて」
巫「わかってるって」
魔王様「またいつでも遊びに来てくれ」
巫「はい!」
巫女と遊戯は、巫の姿が見えなくなるまで見送った。
巫女「・・・さて、晩ごはんの用意でもするかな。せっかくだから、持って来てくれた野菜使ってね」
魔王様「じゃあ、こういうのはどうだ?」
2人で作った今夜の料理は野菜を使ったものがたくさん出来たのだった。
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