ハイキュー!!
□第5話
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今日の3限が終わった休み時間に、男バレの監督にいきなり呼び出された。なんでも今日の男バレのミーティングで私にも話したいことがあるから参加してくれとのことだった。
同じクラスのマッキーになんの話なのか聞いてみたけど、彼も知らないらしい。
一体何なんだろう………
放課後。緊急のミーティングと題して、お馴染みの三年四人組と私が監督と溝口クンに呼び出された。
「一体緊急のミーティングってなんなんですか?」
徹が先生達に問い掛ける。
「実はな、今日青城と練習試合をしたいっていう電話がうちに掛かってきたんだよ。」
「電話?」
『そんなのよくある事じゃないですか』
うちは宮城県内で白鳥沢に次ぐ強豪校だ。そんなわけで他校から練習試合を頼まれる事も少なくはない。
でも、溝口クンは髪を掻きながらバツが悪そうな表情をしている。
「いやそうなんだけど、今月はもう2つ他校との練習試合も入っていてこっちは忙しいわけでさぁ、それを伝えたんだけどなかなか引き下がってくれねぇし、挙げ句には放課後に1セットでもいいからってめっちゃ頼まれてんだよ。何回もすいませんすいませんって………」
溝口クンが疲れた顔をして話す。
『それで、なんで私がいる必要があるんですか?』
「いやっ……お前はうちのマネみたいなもんだし………一応?」
………適当だな。
「んで、どこの学校なんすか?」
岩ちゃんが不思議そうに尋ねる。
「烏野だよ」
溝口クンではなく監督が口を挟んで言った。
「烏野って………」
『飛雄………』
3年4人組の視線が私の方に集まる。
「ん?お前ら知ってんのか?いやぁ、聞いたことのない学校だしどうしょうかなって『練習試合やりましょう』………あっ?」
私は思わず溝口クンの言葉を遮って言ってしまった。
「でもいつやるんだ?祝日は無理だぞ。」
溝口クンが透かさず指摘してくる。
そこまで考えていなかったので私は黙ってしまった。
「来週の火曜日とかどう?」
私がいつにしようか考えていると、今まで黙っていた徹が話に入ってきた。
「来週は他校との練習試合もないし、オフの後だし、1セットだけなら俺は別にいいよ。皆はどう?」
徹が私達を交互に見ながら聞く。
監督はこの私達の様子をニコニコしながら見ている。
「お前にしてはまともなこと言うじゃねぇか。俺は別にいいぜ。」
岩ちゃんが徹のことをディスりながらも賛成する。
「俺もいいぜ」
「俺も」
それに続いてマッキーと松つんも賛成する。
「花は?もちろん、いいよね?」
私は首を上下に大きく振って返事をする。
「お前達がいいなら早速返事してくるわ。ぜってぇ烏野の先生ソワソワしながら待ってると思うし。」
溝口クンは私達の会話を聞いた後、足早に部屋を出ていこうとする。
『溝口クン待って!』
「「 !!!! 」」
私があまりにも大きな声で言ったもんだから、みんな驚いてしまった。
『一つだけ。試合をする条件って言ったらあれだけど』
私は一呼吸おいてから話した。
『影山飛雄を正セッターとして出すことを提示して。そうしてくれたら試合をするって。』
マッキーと松つんは何のことだかわからず不思議そうな顔をしているけど、徹と岩ちゃんは真剣な眼差しで私を見ている。
「おぉ……いいっすか、監督」
私のあまりの圧に溝口クンが監督に許可を得た。
「いいよ」
監督は相変わらずニコニコしながら言う。
「じゃあ、電話してくるぞ。他になんもねぇな?」
溝口クンは確認してから部屋を出ていった。
その後、来週の火曜日に烏野と練習試合をすることが決まり、緊急ミーティングは終了した。
「前から思ってたんだけどさっ、影山飛雄って誰?」
私が帰る準備をし終わり体育館へ向かう廊下を歩いていたら、マッキーが不意に思い出したように言った。
松つんも俺も気になっていたというような表情をしながらこっちを見てくる。岩ちゃんと徹は黙ったまま歩いている。
『飛雄ね…………』
私は飛雄のことを考えながらなんて言おうか悩んでいた。
『私が見込んだ男だよ』
私はそう言ってから皆に別れを告げて、玄関へ向かう階段をゆっくり降りていった。