ハイキュー!!

□第8話
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病院から戻り体育館へ入るや否や、ギャラリーにいる生徒達からの黄色い声援が飛び交った。



徹は慣れているだけあって、女子達からの声に笑顔で手を振りながら応えている。


私に対しても声を掛けてくれる生徒が結構いたので、一応手を振っておいた。



その後、監督に診断の報告をした徹はアップを開始した。









ここまでの試合結果は1-1の引き分け。


烏野、なかなかやるじゃん。






相手チームの方をチラッと見ると、飛雄と目が合った。私が見る前に飛雄がこっちを見ていたらしい。




飛雄は私と目が合うと深々とお辞儀をしてきた。私はそれに笑顔で返した…………つもり。ちゃんと笑えていただろうか。








その後、第3セットが始まった。


試合はどんどん進んでいき、20-24で烏野がマッチポイントとなったところで徹のアップが終わり、ピンチサーバーとして試合に出場することになった。



徹は、眼鏡をかけた長身の人を狙ってサーブを打っている様子。



私も途中から試合を見ている限りだが、その人はレシーブが苦手なように思える。





アップ中もよく見てるよなぁ………さすが。



そこから徹は次々と点を奪っていくが長くは続かず、烏野はやっとのことレシーブをあげる。


それでもこっちのチャンスボールとなり、金田一がスパイクを打った。


さすがに中学のときよりは格段に上手くなっているけど…………あぁ、早く色々なことを教えたあげたい。



しかし金田一のアタックは、烏野の小さい人によってブロックされワンタッチとなり、今度は烏野のチャンスボールとなってしまった。




………あの反応の良さ……たまたまとは思えない。





その彼は、こっちのブロックを振り切りコート内を大移動し始めた。そして飛雄はそんな彼に合わせてトスを上げ、彼の放ったスパイクは徹の横を通り抜けていった。







会場が静まり返っている中、試合終了のホイッスルだけが鳴り響く。



そして段々とギャラリーにいる生徒達がザワつき始めた。







………………今のは何?




私は試合に負けたことより、さっき見た光景に心が奪われていた。




徹でも追いつくことが出来なかった速攻。あんな速攻今まで見たことない……。





飛雄が天才なのは重々承知だが、彼………あんな身長が低いのにあの跳躍……………。




…………やっぱり只者じゃないわ。









練習試合が終わり、しばらくして烏野の人達が体育館から退出したあと、私は徹が体育館にいないことに気づく。







徹のしそうなことは大体見当がつく。




私は急いで体育館を飛び出し、徹が………飛雄がいるはずの場所へと向かった。
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