ハイキュー!!
□第9話
1ページ/1ページ
1時間目は数学の授業。
先生が教室に入ってきたと同時に、教室の騒ぎ声が消えた。
だが先生の手元には教科書などの荷物がなく、代わりにチョークを持ち、黒板にデカデカと文字を書いて、教室を出ていった。
それと同時に教室内は再び騒がしくなった。
教室内を見渡してみるとチラホラ受験のためだろう、勉強してる生徒もいたが、大半は近くの友達と雑談したり、1人で何かをしている。
私は特にやることもないので何をしようか悩んでいると、私の前の席に座っているマッキーが体の向きを変え椅子にまたがり、こっちを向いてきた。
「暇になっちまったな」
マッキーはいつものニヤニヤ顔で言う。
『なんか面白いことない?』
私は頬杖をつきながらマッキーに言う。
「んー………ない。」
『ハハッ』
マッキーの、ないって言い方が可愛くて思わず笑ってしまった。
「………何笑ってんだよ」
『なんでもない』
そんなやりとりをしていると突然、外から歓声が聞こえてきた。
私達は窓際の席だったので窓から覗いてみると、どこかのクラスがサッカーの試合をしているようだった。
よく見てみると、片方のゴールキーパーは岩ちゃんだった。つまり、5組が体育をしていることになる。
「岩泉のやつ、キーパー様になってんな」
マッキーは窓にもたれかかりながら言う。
「岩ちゃんは守備範囲が広いし反応も早いからね。ずっとバレーしかしてきてないはずなのになんか貫禄が………」
「それな」
私は椅子の上に膝をついて外を見ていたのだが膝が痛くなってきたので、机の上に座ることにした。
「天下の花様が椅子の上に座るなんてことしていいんですか〜?」
マッキーはニヤニヤしながらからかってくる。
『……知られなきゃいいの。』
そのまま私達は、終礼のチャイムがなるまで岩ちゃんの素晴らしいキーパー姿を見ていた。
(お前ら1時間目んとき窓からこっち見てただろ。お前の髪目立つからすぐわかるんだよ)
(バレてた………)
(てか、試合をしながらこっちまで見れる岩ちゃんって一体………………)