ハイキュー!!
□第13話
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合宿2日目。
今日は他校との練習試合が午後からあった。
スタメンは昨日決めた7人である。
IHに向けて、7人の連携なども含めて色々確認する必要があるからね。
相手の学校は、毎年GW合宿で練習相手となっている学校である。
なんでも、溝口クンの同級生がバレー部の顧問で繋がりがあるらしい。
学校名何だったっけ………ド忘れしちゃった。
ちなみに結果は2-0でこっちの圧勝だった。練習試合とはいえ、手加減はしない。
チームの関係はというと、なかなか良かったと思う。
渡のレシーブは、見とれてしまうほど完成度の高い出来だった。
私がアドバイスしたことが活かされているかな?
ちょっと自惚れてしまった。
金田一と国見ちゃんだが、徹がセッターということもあり、やりやすそうな印象を受けた。金田一は結構な割合で点を入れていたし。
まぁ、飛雄のあのトスに比べたら打ちやすいよね………。
徹も初めてトスをあげるわけではないため、感覚は覚えていたのだと思う。スムーズに連携できていたようだった。
微調整は必要だけどね。
でも、全体的にコミュニケーションも取れていて連携もバッチリだったから、このままスタメンは変えずにいくだろう。
いい雰囲気。これなら今年は……………
「何考えてんの?」
今日あったことを考えていると、いつの間にか横に徹が座っていた。
ほのかにシャンプーの香りがする。
お風呂から上がったみたいだった。
お風呂は男女別になっているので、私は1人でゆっくりお風呂に入ったあと、外のベンチで涼んでいた。
『今日の練習試合のことを考えてた。徹はやってみてどうだった?』
その言葉を聞いた徹は、今日の試合の様子を思い出しているようで、顎に指を当てて考えていた。
「俺はやりやすかったけどね。金田一と国見ちゃんは中学のときに何回かトス上げてたからその感覚でいけたし。それに皆もいつも通りで問題はなかったと思うな。」
徹が少し楽しそうにしながら言った。
『それなら良かった。私も試合を見てて、このチームなら大丈夫かなって思ってたんだ。』
「花が言うなら大丈夫だな」
聞こえてきた声に驚いた私と徹が後ろを振り向くと、岩ちゃん、マッキー、松つんの3人がいた。
岩ちゃんはふてぶてしい顔で、マッキーと松つんはニヤニヤしながら私達のことを見ていた。
『びっくりした………』
「お前らいねぇから探してたんだぞ。」
岩ちゃんが少し迷惑そうに言った。
スマホの時計を確認すると、20時を過ぎていた。
「ごめんごめん」
そういうと徹はベンチから立ち上がったので、私も立ち上がり3人がいるところまで歩いていった。
夜の肌寒い風が吹いてきて、思わず私はくしゃみをしてしまった。
「風邪ひくんじゃねぇよ」
マッキーがそういいながら私の肩にパーカーをかけてくれた。
さっきまでマッキーが着ていたからか、私の体が冷えていたからかわからないが、とても暖かい。
マッキーが紳士に見える。
『ありがとう』
そういうとマッキーは私の頭をわしゃわしゃしてきた。
「ねぇ、これから寄宿舎で何する?俺トランプ持ってきてるんだけど」
徹が楽しげに話しかけてきた。
「トランプとかガキかよ」
岩ちゃんが笑いを堪えながら言う。
『トランプとか久しぶりなんだけど。…………じゃあ、大富豪やろうよ』
私は徹に便乗して言った。
「なら大貧民になった奴は、罰ゲームな」
マッキーがいつもよりニヤニヤしながら言ってきた。
「面白そうじゃん」
松つんもノッてきた様子だった。
『なら早く戻んぞ』
岩ちゃんのこの言葉を合図に、私達は寄宿舎へと向かった。
その後、寄宿舎で行われたトランプは大騒ぎになるほどの盛り上がりとなり、騒ぎを聞きつけた溝口クンに怒られることになったのは言うまでもない。