灰色のルフ
□黒い青年
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『何から何まですみません』
「いや、これくらいいいですって!てか、むしろさせて下さい!」
アリババさんは本当に優しい方だと思う。ただ…その優しさがいつか仇とならないかが心配だ。
『では、そろそろ』
ノアはアリババに頭を下げる。
「は、はい………。あの!また会えます、よね…」
そう言ったアリババさんを驚いて見る。彼は少し寂しげに見えた。
あぁ……私とまた会いたいと思ってくれるのか。
そんなアリババさんの気持ちが嬉しくて頬が緩む。
『ええ…。貴方もアラジンを捜しているんですから会えますよ。…いいえ、絶対会えます』
彼とここで会うのはルフの導き…運命。なら、絶対にまた巡り会う。
…ううん。確かに運命だけど違う。私が会いたいんだ。
「お、おう!そうだよな!」
アリババが嬉しそうに笑うのを見てノアも笑う。
『では、また』
「ああ!またなっ!」
私はチーシャンを去った。
[第三夜 黒い青年]
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とりあえず何処にいこうか?と思い適当に地図を広げてみる。
『……うーん…』
できれば情報がたくさん集まる場所。
…となると、一番は港だな。
港にはたくさん情報があるだろうし、物資もある。
『なら、バルバットか…』
あそこは国としては小さいが、貿易に関しては髄を抜いてる。
以前行った時も、多種多様な人、分化に驚き学んだものだ。
ただ…ここから歩いていくには少し遠い。
『あ、チーシャンで馬でも借りればよかった…』
はぁ…。とため息。
自分の無計画さに呆れる。
『まぁ、ゆっくり行きますか…』
とりあえず目的は決まった。
フードを深く被り足を踏み出す。