「距離」緑×紫 シリーズ

□距離「タイミング:1」 緑×紫
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sideれに


「はーーっ!?まだなんもしてないの…!?」

楽屋に響く、詩織の大きい声。


「ちょっ、しー…っ!みんな来ちゃうから…」
「そんなこと言ったって、もうすぐ付き合い始めて1ヶ月なんでしょ!?」

詩織がこんなにびっくりする訳。


…今日はあたしは楽屋に着くのが早すぎたから、誰もいないかな、なんて思ったんだけど。
詩織も早く来すぎちゃったみたいで、1人でいて。


「んで、杏果とはどこまでいったの?」
「え。どこまで、って…?」
「いや…、あるじゃん。手を繋ぐ、キス、その先、とかさぁ…」
「あー…。触れるだけのキス、ならしたけど…」

詩織に杏果との近況を聞かれて、素直に答えただけなのに、怒られちゃった。



「…そういうこと、したいとは思わないの?」

うぐっ…。詩織さん、すごい踏み入った質問をしてくるなぁ…笑


「んー…、でも。抱きしめたい、って思うし、キスしたい、って思うけど…」

そもそもキスも、触れるだけのやつしかした事ないから、その先が分かんない、っていうか…。


「いやいやあんたら…、純粋かよ…」
「…あ、でもね。前に、杏果がうちに泊まりにきたんだけど。その時、杏果がパジャマを持ってなかったからあたしの貸したのね?」

…確か、そのとき。




『…やっぱ、おっきいね』
『だから言ったじゃん〜…』
『…でも。すごい、かわいい…////』
『なっ…!////』


ってことがあって。

あの時は、目の前のありちゃんが可愛すぎて自分がおかしくなったのかと思ったけど。


「…あの時感じた自分の欲求は、そういうことだったのかなぁ…」
「いや。急に生々しいわ!」

…まぁでも。杏果がどう思ってるのかは分かんないし。こういうのはタイミングが大事だよね〜…、なんて。


「詩織…、やけに詳しいね」
「いやいや、れにちゃんが疎いだけだからね…笑」


…でも。タイミング、かぁ。
杏果は、どう思ってるのかな。

あのお泊まり以来、お互い仕事が忙しくて、2人でゆっくりできてないもんなぁ。



よし。

もうすぐ1ヶ月記念日だし、あたしもちょっと動いてみよう。


2人きりで、記念日を祝ってさ。
ありちゃんの気持ちも、確認して。


…うん、そうしよう。



「…あ、ふるちゃーん!あたしとありちゃんって次、いつオフー?」

やるからには、すぐに行動しなくちゃね!
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