「距離」緑×紫 シリーズ
□距離「タイミング:2」緑×紫
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side杏果
れにの家に来て、まったり過ごして、お昼を食べて。これからどうする?なんて、お店の中で相談する私たち。
「ももか、どっか行きたいとことか見たいものある?」
「んー…、今は、ない、かなぁ…。れにと一緒にいれればそれで…」
ぼそ、っと本音をもらしちゃった私に、れには満面の笑みで。
かわいいっ!もう、ももか大好き!かわいい!って抱きついてくる。
…でも、私は、そんな単純なれにも大好き。
「…あっ!」
「どしたの?」
「高さんね、思い出したよ!ももかと行きたいとこあった!」
…れにが、私と、行きたいとこ…?
「…行きたい。連れてって…?」
「もちろん!でも…、ちょっと電車乗るけど、大丈夫?」
最初私は、なんでそんな事聞くんだろう、って思った。
だって、変装すればバレる心配はないし、まだ時間はたっぷりあるわけだし…
「…ほら、ももか。おうちデートがいい、って言ってたから…さ」
…あ、なんだ、そんなことか。って。
思っていても、きっとれにからしたら、私の希望を変えても大丈夫?っていう気遣いで。
優しいれにらしい、あったかい気持ち。
「…れに。私は、れにと一緒にいれればそれで嬉しい」
こういうこと直球で言うの慣れないけど、想いが伝わればいいな…
「…ももか。うん、じゃあ、行こっか^ ^」
私の頭を優しく撫でる、その手。
お会計を済ませて外に出ると、その手はいつも通り、私の手を握っていた。