「距離」緑×紫 シリーズ
□距離「タイミング:4」緑×紫
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side杏果
「…ん、ふわぁ……」
眩しい、光。
あたたかい、温もり。
「ももか、起きた…?」
「れに…」
寝ぼけながらも、昨日のことを思い出す。
そうだ、私、昨日れにと一緒にいて…。
夕日を見て、帰って、ハンバーグを一緒に食べて…、それから。
それから…。
「…あ、////」
昨日の夜のことが、鮮明に脳裏に思い出される。
記憶の中で手を伸ばした先にいたれには、綺麗だった。
「あたし、ごはん作って来るから、その間にシャワー浴びておいで?あたしはもう浴びたから^ ^」
優しく笑うれにに、小さく、うん、と頷く。
シャワーから出れば、そこにはもう、朝食の用意が机の上に並んでいて。
れにみたいなお嫁さんがいたら、きっと毎日楽しいんだろうなぁ、って。
「…ん、美味ひい…!」
「あはは、ももか、食べるか喋るかどっちかにしなよ笑」
…のんびりとした、朝。
こんなの、久しぶり……
「あの、さ…、ももか」
「ん…?」
私に声をかけたれにの表情。
固まってて、ほぐれない。
私、なんかしたかな…。
口の中に入れたパンが、一瞬に不味くなる。
「き、昨日…、あたし、下手だったかもしれないけど…。ももかを、幸せにできたかな…?」
「……」
…れに。
そっか、れには。
れには、ただ、私を抱いただけじゃないんだよね。
分かってたんだけど、分かってなかった。
自分だけ気持ちよくなって、れにの気持ちの事とか、なんにも…
「れにっ…!」
「へっ…?」
ちゃんと私も、伝えないと。
「れに、私、昨日幸せだった。れにといるだけでも幸せだったけど、それ以上に。だから次は、私がれにを幸せにするからね…!!」
私の言葉に、ぷっ…、と、笑う彼女。
「ん、じゃあ、次は…。ももかがリードしてくれるの、期待してる」
「なっ…!////」
ほら、早く食べるよー?
仕事の準備しなきゃ!なんて笑うれにに、私はやっぱり勝てないんだ。
「…れに、好き。」
「あたしも好きだよ、ももか」
はじめてのお泊りは、愛がつまった、2人の良い思い出になった。