緑さん

□かわいいひと 桃×緑
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side彩夏


あたしの彼女は、ちょっとだけ不器用。


「あーちゃん、見て!絵、描いた!」
「…これ、だれ?笑」
「ん?あーちゃんだよ…?」


付き合って半年。
今日は記念日で、一緒にまったりお家デートしてるんだけど…。


「なんで、半年記念がももかの絵なの…?」
「…え、嫌だった……?」

いやいや。
そんな上目遣いで泣きそうな目をしない…!

例え狙ってなくてもこれはみんな見たら死んじゃうよ…!?


「はぁぁぁぁ…」
「な…、どうしたの、あーちゃん…。なんかあった?」
「ももかが、かわいすぎて、こまる」


バカ、なんてポカポカあたしを叩くのはいいけど、それやっても逆効果だよ〜…。

それにこれは本心で本音だし…。


「じゃあ、あーちゃんは今日、なにしたい?」
「んー…でも。ももかと一緒にいれるなら、それでいいかなぁ」

あ、ついには固まっちゃった。
ほんと、いい加減慣れて欲しいんだけどなぁ笑



「…ね、あーちゃん」

あぁ、またももかに怒られちゃう。
そんな恥ずかしいこと言ったら、りんごになっちゃう、って。



「あーちゃん、私もあーちゃんのこと、好き。あいしてる」

…え?


「…こっち、見ないで。恥ずかしい…」


あたしより少し小さなその子は。
少しだけ勇気を出して、伝えてくれたみたい。


顔が真っ赤なあたしの彼女を、優しく優しく抱きしめる。

「…ありがと、ももか。あたしも、あいしてる……」


ね?ほら。やっぱり。


あたしの彼女は、とってもとっても。




かわいいひと、なんだから。





fin.

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