「距離」緑×紫 シリーズ
□距離 after3 緑×紫
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sideれに
「私さ…、寝る前、なんか言わなかった?」
ありちゃんをお昼寝から起こして。
寝る前のこと、聞こっかなって思ってたら、ありちゃんは覚えてたみたいで、あたしに聞いてきた。
…でも、なんて言ったらいいのかわかんなくて、ぷしゅう、と空気が抜けるようにあたしの身体は熱くなる。
「…あ、ありちゃん」
もう、この際言っちゃおう。
例えありちゃんが友達感覚であたしを好きだ、って言ったんだとしても…
それでも。
あたしは、伝えたい。
「ありちゃん、あたし、ありちゃんが好き……!」
ありちゃん、びっくりした顔してる。
そりゃそうだよね、急に言われてもびっくりするよね。
「友達として、じゃなくて、恋愛として…。ごめんね、気持ちわ…」
「れに!」
あたしの恋は、終わったんだ、って思った。
だってありちゃんなんも言わないし、ただただ、目を丸くしてこっち見てるだけで…。
でも、ありちゃんの、れに、って声が聞こえて。
じっと見れば、見つめ返してくれる。
「れに…、私も。れにが、好き…」
「へ……?」
いま、なんて言った…?
「私も、恋愛感情で、れにがすき…!」
うそ…、ほんと?
ほんとなの…?
声を出さないあたしの頬に、温かいものが触れる。
それがありちゃんの唇だと分かったのは、ありちゃんの真っ赤な顔を見たときだった。