異譚・藤梅催花
□0. 聲−オトズれ−
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――何十年、何百年、経っただろうか。
保管された僕の“本体”の中に閉じ籠って、結界を張って作った“霊域”の中に引き籠って、僕は、ずっと愛しい“番”の夢を見ていた。
夜空に煌めく星みたいな、美しい刀だった。
僕が最初に憧れた、“神様”。
僕の初恋で、特別で、唯一の、“兄の君”。
......ねぇ、煌。
もう、あなたの許へ逝きたい。
僕を、迎えに来てよ。
「ふじを、おいていかないで。」
そう言ったら、あなたは僕を叱ってくれますか......?
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