どくろ その1
□乙女計画
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「レディたち〜、スイーツ用意したよ〜〜」
この船の女性陣にハートを振りまく、金髪の美青年。
「ユイナちゃんのは、少し冷めているこっちな」
『あ、りがと……』
猫舌な私を気遣って料理を出してくれた。
その優しさ一つにも、胸が高鳴る。
長刀を扱っている私には、短距離で、しかも自分の足で敵と戦っている彼の姿は新鮮そのものだった。
おまけに優しくて、イケメン。
恋に落ちるのはあっという間だった。
けれど、この恋は叶わないことが分かっていた。
「ナミさん、今日の服もセクシーで可愛いね〜」
ナ「ありがと」
「ロビンちゃん、今日もお美しい…」
ロ「ふふ、コックさんお上手ね」
私は、一度も褒められたことがない。
それも無理はない。
いつも無地のワイシャツに暗めの色のガウチョパンツ。
髪型だっていつもボブカットでアレンジなんてしたことがない。
そんな色気のない私になんてなびくわけがない。
サンジにお礼を言って、部屋にある鏡で自分の地味な姿を見て、大きなため息が出た。
いつまでも落ち込んでいてもしょうがないので部屋で長刀の手入れをしていると、ドアを閉めているにもかかわらず、島が見えたことを知らせる船長の声が船中に響き渡った。
次の島へ着いたら自分も用事があったので、どのような島なのか確認しようと、甲板へ出た。