ぐるぐる その1

□あの頃のままで
1ページ/7ページ






転勤して早2ヵ月。





仕事にはそれなりに慣れてきた。



けれど、精神的にキツイことはいっぱいあって、毎日追い付くのに精いっぱいなのが現状だ。




お父さんが海外転勤となり、お母さんがついていくと言い出した。そうなると、家を空けるわけにはいかず、転勤願いを出し、こうして地元に戻ってきた。




都心と違い地方の支社なので規模は小さいが、自分のやらなければならない仕事が多く、大分苦戦した。



この2ヵ月の成果もあってか今日は空が明るいうちに会社を出ることが出来た。









今日の夕飯は何にしようかな…。






そんなことを考えながら改札を通ると、可愛らしいハンカチが落ちていることに気が付いた。


それはきっと、前を歩いている金髪のポニーテールの女性のもののだと感じ、彼女に追いつき声をかけた。







『あの、すみません…これ、落としましたよ…』





「あ、ありがとうご…ええ!マホ?!」





『ああっ!いの!久しぶり〜』





いの「ちょっと、戻ってるんなら言いなさいよねー!なんかずい分雰囲気変わったわね。都会の女は違うわー」





『中身は変わらないよ。みんなは元気?』





いの「まあ、元気がありすぎってところね。どう、確かめてみない??」





「え…?」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ