ぐるぐる その2

□ツンデレ王子
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「じゃあ演劇会の配役は公平にクジで決めましょう」







「何の役になるんだろうね…」




『なるべく少しの役がいいな…』






うちの高校は、文化祭とは別に演劇会という名の珍しい行事がある。




1,2年生では誰も立候補しないような目立たない役をやる事ができたのでなんとかなったけれど、今年はくじ引きになってしまった。




それもそのはず、今年はクラスにとんでもない人物がいるからだ。





「私がヒロイン役でサスケくんと……」


「何言ってんのよ!!私がなるに決まってるじゃない!」





うちはサスケ。



この学校で一番人気の男の子だ。






しかも、運よく彼は主役の王子様を引き当てたのだった。





役決めのクジを引いていった女子たちは中身を見て落胆していった。








そして…





『……!!』




「榎本さん、役名は何でしょうか?」





担任のエビス先生に急かされて、小さな声で答えた。





『し…白雪姫……』






クラスにどよめきが起こった。






「えー!!榎本さんなのー?!サイアクー!」


「こんな地味な白雪姫いないって」



「じゃあ、私が代わりにやってあげるよ!」






彼女たちの言っていることは間違ってはいない。


髪やメイクが自由な学校なのに、いつもひっつめ髪でノーメイクのメガネ姿だから。





エビ「どうしましょうかね…委員長」





委員長の奈良くんがめんどくさそうに前に出てきて話し始めた。





シカ「こういうことが起こるのが面倒だったからクジにしたんじゃねーかよ。もう2度目なんてねーからな、これが公平だ」




彼の言葉に反論する者はいなくなった。






私が、やらなくちゃならないの……?
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