ぐるぐる その2
□クリスマスの奇跡
1ページ/5ページ
「あのねー、明後日のクリスマスは、ママとパパとお家でケーキ食べるの!」
『いいわね!先生もお肉食べようかな〜〜』
「マホ先生、彼氏いないからひとりぼっちなんでしょ!」
『な!先生にだって彼氏くらいいますー!』
「でもマホ先生が彼氏といたところなんて一回も見たことねーもん!先生の嘘つきー」
『なんだってえ?!』
榎本マホ。
アカデミーの教師をやっている。
子どもたちは生意気だけれど、みんな可愛い。
話題にあった通り世間はもうすぐクリスマス。
彼氏がどうのとか言われてたけれど、いるっていうのは間違っていない。
けれど、会えなくなってからもう3年が経とうとしていた。
―――
――
―
6年前のクリスマス―
『売れ残り同士、楽しくクリスマスが過ごせたねー』
「……売れ残りって言い方、やめろよ…」
『あはは、ごめん。シカマルは里の参謀さんだから私と違ってモテるかー。あ、ねえ、あれ見て!!』
「わ、すげーな」
6年前、木ノ葉の里にクリスマスというイベントが浸透した頃、街はカップルや家族連れでにぎわっていた。
私はというと、女性陣が全員彼氏持ちでデートをするという現実をようやく理解し、たまたま任務が一緒だったシカマルに相談したところ、デートっぽいことをしてくれることとなったのだった。
そして、火影邸の目の前には巨大なツリーが輝きを見せていたのだった。
『これがクリスマスツリーか…すごく綺麗だね』
「…そうだな」