ぐるぐる その2
□願いを叶えるサンタさん
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カカシ様、今頃どのように過ごされているんだろう…。
本当はちょっぴり寂しい。
はぁ、と短いため息をついて窓の外を見ていると、どこからか気配がしたような気がした。
『ん…?』
「クリスマスにため息つくなんて、幸せ逃げるよ〜?」
『?!カカシ様!!どうして…!』
「様ってやめてよ…。ま、クリスマスなんだし、好きに過ごしたっていいじゃない。やっぱりここが落ち着くんだよねえ。だから、申し訳ないけど、シカマルには出て行ってもらっちゃったヨ」
『え…じゃあ、テマリちゃんは、カカシ様が呼んだのですか…』
「たまには後輩にも優しくしなきゃねー。でさ、まだ俺、クリスマス満喫してないんだよネ」
『せっかくのお休みだったのに…。今からでも間に合いますよ?』
「んー、そうだネ。でもさ、足りないものがあるんだよねえ。」
『足りないもの…?なんでしょう……?』
「ああ、マホは頭のいいくノ一だと思ってたんだけどな……」
『!!な…に……』
じりじりとこちらに寄ってくるカカシ様から逃げることが出来ず、目の前で止まる彼の顔を恐る恐る見上げる。
「こんなにも、目の前で交際の申し込みを断ってるのに、気づかないなんて、さ。ずるい女だよねえ」
『そん、な……』
「じゃあさ、今日はマホが俺のワガママ聞いてよ」
「俺の女になってちょーだい」
そのワガママは、私が前からずっとサンタさんにお願いしていたことだった。
―end―