ぐるぐる その2
□隣の距離の縮め方(1)
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私、少しずつだけど、変われてるのかな……。
これからデートに行くというヒナちゃんを見送って私は岐路についた。
家に入るところで、これから出かけるであろうシカマルくんが玄関から出てきてばったり会った。
『あ、シカマルくん……』
「今帰りか」
『うん』
「今日はすごかったな。お前、色んな人に話しかけられてたじゃねーか」
『そ、うかな……』
「人気のアイツにも話しかけられてたしな。ま、もう俺のお役もここまでだろうな」
『え……』
「俺がいなくたってお前はできるんだよ。だからもう俺を頼るんじゃねーぞ。俺と話してると友達増えねえからな」
『……わかった…』
私がここまで来られたのはシカマルくんのおかげだった。
変わりたいと思ったのも。
一人で何でもできるようになったら、もっと近づけるんじゃないかって、勘違いしてた。
けれどシカマルくんにとって私はただの幼なじみで、それ以上なんて存在しなかったんだ。
彼との距離は縮まるどころかどんどん離れて行ってしまった。
自分が決めたことなのに。
『やっぱり、好き……』
こんなに辛いことだなんて、思いもしなかった…。