ぐるぐる その2
□隣の距離の縮め方(2)
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『うえーん…』
「なんだ、また転んだのか」
『ひざ、すりむいちゃったの…』
「ったく、いつも世話が焼けるな。おぶってやるから乗れ」
『シカマルくん、ありがとう…』
「マホは俺がいてやらないとダメだよな」
『うん…シカマルくん、ずっと一緒にいてくれる…?』
「もちろんだ」
―
――
―――
「……夢か」
……にしてもリアルな夢だったな…。
小さい頃の夢を見た。
まあ、無理もねえか。
あの時の俺の言葉がマホの足枷になってるんじゃねえかってずっと思ってたからな。
なのに。
―俺がいなくたってお前はできるんだよ。だからもう俺を頼るんじゃねーぞ。俺と話してると友達増えねえからな―
―……わかった…―
何であの時、あんなに悲しそうな顔をしたんだよ。
本当はずっと前から分かってた。
そばにいてほしかったのはマホのほうじゃなくて、俺だったっていうこと。
けど俺たちはこれ以上距離を近づけることはできない。
そういう関係になっちまったんだから。