ぐるぐる その2

□嘘と涙とチョコレート
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私が普通の忍に戻ってから何年が経っただろう。




正直、基本臆病で恥ずかしがりな私が暗部で任務をこなしていたことが不思議で仕方がない。



そんな昔の私と考えられないくらい、穏やかな毎日を過ごしていた。





(今日の任務はなんだろう……)




待機所で任務を待っていると、前からニコニコしながら見覚えのある顔がこちらに向かってきた。





「やあ、マホ先輩、久しぶりですね」




『テンゾウ……?』




ヤマ「今はヤマト隊長と呼ばれてるんで」





テンゾウが暗部を抜けたという噂は聞いていたけれど、まさかこうして外で会うと思わなかったので、何と声をかけたらいいのか分からなかった。





『あ、その……久しぶりだね』





ヤマ「何年ぶりでしょうかね?マホ先輩、全然変わってないですね」




『え?そ、そうかな………』




ヤマ「で?まだ、カカシ先輩のこと好きなんですか?」




『ちょ、テンゾウっ……!!!///』




彼の思わぬ一言が誰にも聞かれていないか周囲を見回したけれど、誰も聞いていなかったようで安心した。




ヤマ「はは、相変わらずからかい甲斐がありますねマホ先輩は」





『あまり恥ずかしいこと言わないでっ……!』





ヤマ「すみませんて。でも、もう何年になるんですか?いい加減告白くらいすればいいじゃないですか。ほらもうすぐバレンタインですし」




『そんなっ………』





そんなこと出来ない。




そう言いかけたところで彼が任務に呼ばれてしまった。





なんで、よりによってテンゾウにバレてしまったのだろう…。
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