ぐるぐる その2

□ハートの花びら
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シズ「あ、マホ、ちょうどよかった。この書類をアカデミーに持って行ってほしいのよ」





『あ、はい、分かりました』






榎本マホ。

俺の同期で中忍のくノ一だ。






コイツはつくづく運のない奴だと思う。

現に、今ちょうど人の手が欲しかった、という時に限っていつも近くにいる。


だから大きな任務ではなく雑用が多く、いつまでも中忍のままだ。



それなのに本人は嫌な顔一つせずに引き受ける。














「シカマルさん、俺もう仕事終わったんで、帰っていいっすか?」





「いや、でもこの書類……まあいいか…今日は帰っていいぜ」





「ありがとうございます!これからデートだったんで助かります〜」





ったく、最近の若い奴は…という言葉を使いたくなる歳になったな。


つくづく運がないのは俺も変わらないが、俺の場合、「めんどくせえ」っていうセリフが言霊になって襲い掛かってきてるようなもんだからな。

自業自得ってことだ。







『あの…終わりました』




「ああ、助かったよ。今日はもう帰って―」




カカ「シカマル〜、この書類、今日までだったみたい、渡すの忘れててごめーんね」





「はい?!6代目、困りますよ、今日はほかにもやらなきゃならないことが…それに今日の当番の奴は帰っちまったし」




カカ「あはは、だよねー…あ、そうだ、マホ、ちょっと手伝ってもらえないかな?」





「いや、でも…」





『あ…私でよければ……』
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