ぐるぐる その2
□隣の距離の縮め方(1)
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『シカマルくん……』
「これじゃあ中学の時と何にも変わってねーじゃねーか。たまには断るとかしろよな」
『うん…でも、こういうの、嫌じゃないし……っ!』
軽く鋭い衝撃が走った人差し指を見ると、赤い線がぷくっと浮かび上がっていた。
「…ったく世話が焼けるよな。見せてみろ」
『だ、大丈夫、絆創膏持ってるから……』
シカマルくんが近づいてこちらの様子を確認してきたけれど、とっさに避けてしまった。
こんなに近づいたの、いつぶりだろう……。
そんなことを考えていると、教室のドアが勢いよく開いた。
ナル「あー、忘れ物しちまっ…た………って!ええええ!!!シカマルとマホって、そういうカンケーだったのか?!」
「そういう…って、どんなんだよ……俺とコイツは幼なじみなんだよ」
ナル「幼なじみ?!オイシカマル!去年も今年も同じクラスの仲だって言うのに、何で俺に言ってくれないんだってばよ?!」
「…別に言う必要もねーだろ」
ヒナ「私も……知らなかった…」
ナルトくんを追って廊下にいたヒナちゃんがぼそっと呟いた。
『ヒナちゃんっ…!…ごめんね、隠してたわけじゃないんだけど……』
二人でなんとか弁解したけれど、納得してくれず、私たちはナルトくんに近くのファミレスに連行されてしまった。
ナル「えー!幼稚園から一緒なのか。じゃあさじゃあさ!将来は結婚すんのか?!」
『けっ……?!///』
「マンガの見すぎだろ。ただの幼なじみだ。それ以上もそれ以下もねえよ」
『あ……うん』
胸がズキズキする。
この胸の痛みの原因は、最近分かったんだ。