ぐるぐる その2
□嘘と涙とチョコレート
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深いため息をついて、待機所にあるカレンダーを見つめる。
今日は2月7日だから、バレンタインまであと一週間しかない。
どうせ今年も無理だな……と思いながら振りかえると、目の前には先ほどまで話題に上がっていた人物の姿があった。
『わああっ!!』
「なに、そんなにバレンタインを愛おしそうに見つめちゃって」
『か、カカシ……い、いつからいたの……?』
「んー、マホが顔を真っ赤にしてテンゾウとコソコソ話してるあたりからかな」
『え……』
どうしよう……内容を聞かれてしまったのだろうか…と青ざめていると、ま!何話してるかは聞こえなかったけどね。と付け足されて心のなかでホッとしていると、またもやとんでもない言葉が飛んできた。
「さっきので気づいちゃったんだけどさ、マホ、テンゾウのこと好きでしょ?」
『……え?』
「その反応……図星ってとこだね」
『い、いや、ちがっ……』
深追いされてカカシを好きなことがバレるのが怖くて曖昧に返事していたら、とんでもない方向に話がいってしまった。
「バレンタインまであと一週間あるんだし、仕方ないから俺が手助けしてあげるよ」
『え……?』
「だってテンゾウのことは誰よりも俺が知っているんだから、さ。感謝してよネ。こんな興味のないイベントに付き合ってあげるんだから」
『ええっで、でも……』
「とりあえず明日、自分の作れるチョコレート作ってきてちょーだい」
そう言ってカカシは瞬身の術でどこかに消えてしまった。
と、とんでもないことになってしまった……。