Novel

□大人なこと?
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上村side


「ねぇ莉奈。
私莉奈と大人なことがしたい。」

「、、、えっ!!、へ?!」

尾関の言葉が理解できず、
変な声が出た。

いやいや、
り、理解はしてるんだけど、、、


さっきまで恋人の尾関と普通に過ごしてた。

ホテルの部屋が同じになって、
二人で嬉しいねって喜び合って。

そのあとは部屋でお菓子食べながら、
尾関が面白いこと言って、
2人で大爆笑してた。

少し時間が遅くなってきて、
そろそろ寝ようかってなって、
そんなに眠たいわけでもないから、
同じベッドの上で
話しながらゴロゴロ。

そんな感じで普通に過ごしてたら、唐突すぎる尾関の言葉。

「えっと〜どういう意味?かな?」

「だからそういうことじゃんっ!莉奈と大人なことがしたいって!」

「ま、待って!ほ、本気っ??」


だって、
尾関とは恋人だけど、
その、恋人がするようなことまでは進めてない。

まだキスもしたことがないのに。

手を繋いだり、ギューっと抱きしめられたり。
本当にそのくらいのこと。

でも、
それが私と尾関らしかったし、
何より、私自身すごく恥ずかしくて。

キスの仕方とか、大人のそういうことって、
どうしたらいいのか全然わからないから。

たまにゆっかーやペーちゃんに、相談しに行ったりもしたことがあった。
教えてくれなかったけど。


だから、唐突すぎるんだ。
まだなにも教えてもらってないのに、そういうことするのってすごく恥ずかしい。

それにキスもしたことないのに。


「尾関っ、その〜、まだ私たちには早いと思う。
ちゃんと、ス「でもっ」

ちゃんとステップを踏んで、焦らなくてもいいと思うよ、

そう言おうとした私の言葉を、
尾関がかき消した。

少し焦った様子で。


「でも、この前見たんだ。
ホテルの部屋で、ちょっとだけペーちゃんとまなかの部屋が空いてて。
覗いたら、その、大人なことしてて、、、」

話してる尾関はどんどん顔が赤くなって、耳も真っ赤だった。

「なんか羨ましくて、私も莉奈としたいって思って。」


言い終わった尾関は、
赤面していたけど、それでも、
本当に真剣な表情で。

その表情を見て、
なぜか少し安心感が生まれた。

恥ずかしいけど、
私の気持ちもちゃんと伝えよう。


「私、尾関より年下だけど、
そういうこと全然わからなくて、きっとリードとかできないけど、それでもいい?」

「うんっ」

「嫌いにならない?」

「当たり前じゃんっ、莉奈のこと嫌いになるわけないよ!」

まっすぐな尾関の言葉が嬉しかった。

順序なんて関係ない。
優しくて真面目な尾関なら。
尾関スタイルでいい、ゆだねてみようと思った。


「莉奈、していい?」

「うん」

「目、瞑って」

「あ、うんっ」

これが初めてになる。そう思って目を瞑ると、




ほっぺに柔らかい感触が。




「んん?えっ?」

「へへっ恥ずかしかったね!」


目を開けると、再び赤面した尾関がいた。








大人なことは、
まだまだ先になりそうです。
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