Novel

□バニラとチョコ
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守屋side

「ん〜っ!美味しいねっ」

「ふふっそうだね」

美味しそうにカップアイスを食べる友香に返事をした。


気づけば8月。

外は出るのが億劫になるほど暑くて、
セミの合唱がいやになる程聞こえてくる。

暑いのは辛いけど、
友香がアイスが食べたいと、可愛い顔で提案してくるから否定できなくて。

一緒にコンビニまで行って、涼んで。

コーンはすぐ溶けちゃうからカップがいいよね、なんて言いながらアイスを選んだ。

友香がバニラで、私がチョコ。

それから今は、買ったアイスを食べながら、クーラーのかかった涼しい私の部屋でアイスを頬張る。

「茜のアイス、一口もらっていい?」

「うんっいいよ」

私のアイスを一口分スプーンにのせて、すぐ隣に座る食いしん坊にあーんしてやる。

「んっ!美味しい!バニラも美味しいけど、チョコも美味しいねっ」

私のアイスを一口食べてニコニコ。

アイスを食べただけで、こんなにも笑顔になる友香が愛おしくてたまらない。

私は残り僅かなアイスをすぐに食べ終え、友香と同じようにねだってみる。

「友香のも一口もらっていい?」

「いいよ!はいっあーん」

友香からもらったバニラアイスが口の中で広がる。

「うんっ美味しい!」

「ね!バニラも美味しいよねっ」

私が美味しいと伝えると、さっきみたいに、私のアイスをもらったときと同じように笑う。

目を細めて、ほっぺをピンク色に染めて、嬉しそうに笑う。



その笑顔反則すぎるよ、、、


反則級の笑顔の友香に私も負けたくないなぁって思う。

負けず嫌いってこんなとこにも出ちゃうんだよね。


「友香のもう一口ちょうだい?」

「え〜っもう食べ終わっちゃったよぉ」

そんなのわかってるよ。

「それなら、、」

「えっ、、、んんっ」

友香の首に手を回して、引き寄せて、
油断していた友香の唇を奪う。

ほんのりバニラの味がする。

それに友香の唇は薄くて、いつだってふにふにしてて気持ちがいい。
何度だってしたくなる。

もっと味わいたくて、さらに深く口付ける。

さっきよりもバニラの甘さを感じる。でも、友香の甘い声も聞きたいなぁ。

友香の弱いところはわかってるから、そこをなぞってみたりする。

「ん、、、はっんんっ」

友香のくぐもった声が聞こえて、
そろそろ苦しくなるだろうと唇を離した。

「バニラやっぱおいしいね」

「、、んっもう、、ばかっ、、」

顔も耳も赤く染めた友香が抱きついてくる。

ああ、、もう可愛すぎるって

「ごめん、友香のこともっと欲しくなったんだけど、いい?」

真っ赤になってる耳元でつぶやく。

友香はとろんとした目で、私を見上げてきて、

「私も、茜のこといっぱい欲しい。」





熱くなる顔を感じて思った。


ああ、友香には勝てないかも、、、



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