Novel

□可愛い愛猫。
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守屋side


「、、、、ねぇ、、」

「・・・・・・」

「ねぇ、あかね、、、、」

「・・・・・・」

私のすぐ側にいる友香。

友香っていうのは、私の愛猫。

友香には、
ふわふわした耳と可愛らしいしっぽがついてて。
それ以外は、人と同じでほとんど変わらない。

でもこの人間みたいな姿は、私だけにしか見えてないみたい。たぶん。


そんな友香は、
私の少し離れたところでずっと私の名前を呼んでる。

「あかね、、、ねぇ」

「もう、静かにしてて。
私来週テストだからかまってあげられないよって言ったでしょ。」

友香の方を見て少しだけ怒った口調で言ってみる。

前々から、テストがあるからかまってあげられないからねって話しておいたはずなんだけど。

まぁ、猫には関係ないんだろうけどさ。


そんな私の言葉に友香はわかりやすく落ち込んだ。

「ぅう、、、でもぉ、、さびしぃょ」

耳が垂れて、少しうつむき気味の友香は、すごく寂しそう。

最後らへんの言葉はほとんど聞こえないくらい小さくて聞き取りづらかった。

きっと、普段の私だったら絶対スルーするはず。

おだななとか愛佳とかだったら、確実にスルーだよ。

でも、相手は友香で。

大好きな愛猫の友香。




あぁ、、もう、だめだ。

私って、本当に友香に弱い、、、



芯をしまって、持っていたシャーペン置く。

「友香。おいで。」

今度はできるだけ優しく言ってみる。


ずっとかまってはあげられないけど、少しだけなら、、、ね。


こっちを涙目になりながらじっと見つめてくる。
まだ近くに来ようとしない。

きっと友香なりに考えてるんだろうな。

今行ったら迷惑になるかもとか。
仕方ないからかまってくれてるだけなのかもって。



でも、そんなの、違うのに。


私も本当は友香と遊びたいんだよ。
頭だって撫でてあげたい。

だから、

「友香。こっちおいで。」

私の横をぽんぽんと、ここにきていいよと、もう一度友香を呼ぶ。

すると、泣き出しそうな顔で私の横にきて抱きついてきた。

ずっと我慢してたんだもんね。

「あかねっ、、、さびしかった、、」

「うん、ごめんね。」

「んっあかね、、ぎゅーっ」

「ふふっ、はいはい。ぎゅー。」


可愛すぎる友香をぎゅーっと抱きしめる。

しっぽを見ると、嬉しそうに振ってて。

こんなに可愛い女の子なのに、
猫、、なんだよね。

耳としっぽしか、私には見えないけど。



なんだかすごく不思議。

誰にもこの友香の姿は見えてなくて、
今こうやって抱き合ってるのも、
他人から見れば、
ただ猫を抱き上げてるようにしか見えないのかも。

でも、それで良かったかもしれない。

もし、他の人にも友香の姿が見えてたら、
きっとすぐに誰かに連れ去られてたと思うから。


「あかね、、、んっ」

撫でてほしそうに訴えてくる。

すぐに察知して、
友香の頭を撫でてあげる。

撫でられるのが一番好きなんだよね。


「んふふっ、あかね、だいすき」


ニコニコ笑って、甘い声で伝えてくる。


はぁ、、、可愛いぃ、、、



テスト勉強はもう少し置いておこう。


今はこの抱きついて離れない甘えん坊な猫に癒されよう。




机には書き途中のノートと芯のでてないシャーペンがしばらくそのままだった。





菅井様って猫っぽいなぁ、
と思い書いてみました。

もしかしたら、続編みたいなのを書くかもしれません。
その時は、確実に渡辺さんが出てくる気がしますw



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