Novel
□交差する想い T
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友香side
「べりかは、愛佳にチョコ渡したの?」
「...うん。友チョコとしか思われてないけどね。」
放課後の廊下。
隣を歩くべりかは、俯きながら少し悲しそうに笑った。
中学の時から仲良くなって、べりかは愛佳に本命チョコを渡し続けて4年が経つらしい。
「告白、しないの?」
「......できないよ。嫌われちゃうかもしれないし。フラれたら、友達としてもいられなくなっちゃうから。」
「...そっか。そうだね。」
気の使えるような、励ますような言葉が出てこなくて、肯定することしかできなかった。
だって、べりかの言うこと、すごいわかるから。
それでも、愛佳にチョコを渡せられるべりかが羨ましく思った。
だって、私はもう......
「友香ちゃんは?あかねんに渡したの?」
「ふふっ、、ううん。渡してないよ。
渡せないんだ。」
渡せない。渡さないんじゃないよ。
できなくなっちゃったんだ。もう。
べりかは、少し驚いたように目を開いたけれど、すぐに元に戻って、さらに悲しそうな顔。
察するのが早いね。
そういうところは、本当に大人っぽい。人の表情を見て、感情や考えを察知するのが早いんだ。
「友香ちゃん。大丈夫だよ。きっと、まだ、終わってないよ。諦めちゃ、だめだよ。」
励ましてくれるべりか。
私があげられなかったような暖かい言葉を、優しい表情でくれた。
終わってない、、、か。
そう願いたいし、ずっと望んでた。
それでも、もう。
私の恋は、終わったとしか思えなくて、諦めなきゃいけないんだって、神様もそう言ってる気がした。
だから、もうこの想いを奥底に閉じ込めて、忘れた、はずなのに。
「......うん。ありがとう、べりか。」
優しい言葉をくれたべりかにお礼を言うと、うんっ、と可愛らしい返事が返ってきて、また少し心が安らいだ。
よかった。
こんな日に、隣にべりかがいて。
2月14日。バレンタイン。
去年の今日は、幼馴染みの茜に告白した日。
そして、
私の一方的な茜への初恋が、終わった日。
かなり久しぶりです。
また戻ってきました。
とりあえずバレンタインが近いので。
終わるかわかりませんが、また続きを書きにきますね。