気まぐれポエム。

□勿忘草
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彼女は今日
この町を去る

ずっと一緒にいたから
大好きだったから
この花を、君に贈ろう

青い小さな花を一輪手にして
彼女の家へ向かった

引っ越しの準備は整っていた

空っぽになった部屋で、一人佇む君に
手のなかの花を差し出した

花を少し眺めたあと

彼女は僕を見上げて微笑んだ

「忘れないよ・・」

夕陽が射し込むなか、微笑む君を
今のこの瞬間を、僕はきっと

忘れることはないだろう

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