夢部屋
□*はつでーと
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幸せな時間もあと少し。
学園に戻るため帰路につく。
「今日は楽しかったです。なんだかデートしているみたいでした!私したことなくって」
ふふふと嬉しそうな名無しさん。
「ああ、俺も。楽しかった。」
(あいつらがいなければ特に)
(…今、デートみたいって言ったよな。したことも無いとも…)
傍らで嬉しそうにしている名無しさんをみると期待してしまう。
「じゃ、デートらしく、手でも繋いで帰るか?」
その瞬間、ピタリと歩みが止まる。失敗したかも。
「いいんですか!?じゃ先輩の気が変わらないうちに」
と、俺の左手に手を添えてきた。
「お、おう!学園に着くまでがデートだからな!」
やっぱり先輩の俺がリードしないと、ダサいとか思われないように、とかそんなことも思いながらいろいろ妄想してしまったけど、
やっぱりあいつらどうにかしたい。
後ろから無言で一定の距離で歩くあいつらを。
幸せも感じつつ、殺意も芽生えたそんな夕暮れ時。
***
頑張れ!竹谷八左ヱ門