夢部屋

□*いもうと、2
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「そうだよ、怒んないでよ勘右衛門。
今度女装した時にもっと名無しさんみたいに似せてあげるから…いつもみたいにまさぐるくらいなら触らせてあげるから、ね?」
ニコリと笑って言う兵助。だがどこか黒い部分が見えている。

「え…勘ちゃん…?」
ちょっと引き気味の名無しさんがオレと兵助を交互にみる。

「ちょ、誤解だからッ!兵助もそんな言い方するなって!!」
慌てて否定するが名無しさんは一歩下がる。

「違うんだって〜…」
ショックどばかりに項垂れてしまう。やっと近付けてきたのに、変な誤解を与えてしまった。


「ほら、お豆腐食べて元気だして!」
そんな俺の様子をみて兵助はキラキラした満面の笑みを見せてくれた。


(まだ名無しさんは渡したくないんだよね、ごめんね、勘右衛門)


***

以前の女装実習の日。

『〜〜〜ッ!!兵助可愛すぎ〜!』
『…そうかな?』
『名無しさんみたい!ねぇねぇ、俺に向かって、兄さんって言ってみて!』
『……。』
『あとさあとさ、膝枕とか、町へも行ってみたいな。あとはぎゅってしてもらったり……ふふふ』

(名無しさんで、何想像してんだ)


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