夢部屋

□*いもうと、3
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「いけいけどんどーんッ!」


今日も相変わらず元気がいい小平太。

そんな小平太にも弱みがある。


それは似ても似つかない可愛らしい妹、名無しさんである。
ほんとに兄妹かと噂される程。あの人並外れた体力をもつ小平太に比べ、名無しさんは小柄で大人しくて優しい、が印象的である。


ある日のこと、

「小平太ッ!何度言えばわかるんだ!!毎回のようにボール壊しやがって…ッ」

いつもなら用具委員長の食満留三郎に怒られても「壊れてしまったならしょうがない。気にするな」と言い返している小平太だが今回は何も言わない。否、言えない。

「そうよ、兄さん!もう少し大事にしないと」
留三郎の隣で注意する名無しさん。あまりにも続くと、用具委員会も手が回らない。
そういうときの必殺技、妹を出す。

「食満先輩、兄がいつもすみません…、私も直すの手伝います」
「ありがとうな、名無しさん。」

そんな会話をする二人をみて小平太はむくれている。
(悪いのは私だろうが、おもしろくない。)

その次の日は、下級生との鍛錬のことで注意され、5年生をたまには可愛がろうとしたら名無しさんを盾にされ結局怒られてしまった。
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