夢部屋

□*あさやけ
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「名無しさん、名無しさん。そろそろだぞ。」

「…うん。もうそんな時間?…寝足りない…」

「ははは。昨夜は長くしてしまったからな。でももう出ないと明けてしまうぞ」

そう言う小平太は布団の中で後ろから名無しさんを抱きしめている。柔らかいと頬ずりまでして。
お互い服も来てないから直接肌があたり温かさが増してなかなか起きられない。


「…もう起きようか。小平太が元気になられても困るし」

「いやいや何を言う。名無しさんがいてくれたらいつでもどこでも元気出せるぞ」

それは大変っと二人で笑いながら、着替える。

「さあ、行こう」
まだ外は薄暗い中、私たちは学園を抜け出し裏裏山へ向かった。

「こんな時間に抜け出すなんて、なんかスリルあって楽しいわね」

「ああ!名無しさんここから気を付けろ」

小平太は名無しさんの手をとりペースを合わせて走る。
木々の上を走ったり、川を飛び越えたり、あまりにも高いところだと小平太に抱えられながら山々を越えていく。
たまにくるくる回されたり。こんな暗闇の山の中を走っているのに怖さも不安も感じない。
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