夢部屋

□*不思議な弟
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滝夜叉丸と三木ヱ門の前でやられた時は、喜八郎はすぐ捕まえられて滝夜叉丸にお説教されていた。
弟の扱いに慣れている人だと安心だ。

喜八郎も流石に小平太の前ではやらなかった。
暴君と呼ばれる小平太には適わないかな?と思ってたけど違った。
彼は自ら目の前でやってくれるのを求めて笑顔で待っているのが気に入らないようだった。

小平太と話していると名無しさんを庇うように前にでてくる喜八郎。

そんな弟の姿をみて、可愛いところもあるんだなって思う名無しさんだが、こんな悪戯のようなことをされ続けていてはよくわからなくなっていた。




「喜八郎」

「何?姉さん」

「…姉さんね、前々から喜八郎のこと不思議に思ってたんだ。
何考えてるか全然わからなくて」

「そう?」

「うん、だから教えて?

なんで、姉さんが穴に落ちたのに
そんなに嬉しそうなのかな?
そろそろ上にあがりたいんだけど…助けてくれる?」

見上げながら笑顔を作って聞いてみるものの、弟はご機嫌が良さそうにこっちを眺めているだけ。


「姉さん、早く出たいな〜…」


「うん、もうちょっとだけ。

せっかく落ちてくれたんだから。」


なんだか嬉しそうにしてるから、もう少しだけいいかとついつい許してしまう名無しさん。


何考えてるかわからないけど
姉にベッタリで嫉妬深い可愛い弟。


また巻き込まれた人に謝りに行かなきゃ。


遠くの方から小平太の「何故、私にだけ見せてくれんのだ!私も揉まれてるとこがみたい!」って叫びが聞こえた気がしたけど、聞こえなかったことにした。


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