夢部屋

□*まくら
1ページ/3ページ



なんだか身体が重い。

目が覚めると天井が見えた。

でも身体が動かない。

(そういえば昨日みんなで呑んだんだっけ?飲みすぎたかな。)

それにしても重すぎる…と身体の方をみれば胸の上に、竹谷八左ヱ門。腹の上に尾浜勘右衛門の頭が乗っていた。

「……人を枕にしやがって…」

ハチにいたっては、名無しさんの寝巻きが少しはだけてしまっているうえ、うつ伏せで寝ているので寝息が肌にあたる。

意識してしまうと変に恥ずかしい。

(ちょっと手が…当たってるし)


「う〜…起こそうかな…」


お腹の勘ちゃんも寝返りうたれてくすぐったい。
二人ともよくこの状態で寝てられるなと感心する。


まずはハチから。

「ハチ、ねぇ、ハチ起きて。」

ハチの肩をトントン叩いてみるが起きそうにない。

「ハチ〜?」

髪を撫でたり頬を弄ってみると、やっと反応を示してきた。

「…ン。…名無しさん。」

ふと、ハチの動きが止まり名無しさんの胸からゆっくり顔を上げた。

枕じゃないことにやっと気づいたか。


「…おはよ。ハチ。」


名無しさんの声に顔を向けるハチと目が合った。

その瞬間ガバッと上半身を起こし、手で顔を隠したが照れている様子が隠しきれてない。
ちょっと可愛いと思った。

「……おはよ。……ごめんな」

目をそらしながらも謝るハチ。
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ