夢部屋
□*まくら
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なんだか身体が重い。
目が覚めると天井が見えた。
でも身体が動かない。
(そういえば昨日みんなで呑んだんだっけ?飲みすぎたかな。)
それにしても重すぎる…と身体の方をみれば胸の上に、竹谷八左ヱ門。腹の上に尾浜勘右衛門の頭が乗っていた。
「……人を枕にしやがって…」
ハチにいたっては、名無しさんの寝巻きが少しはだけてしまっているうえ、うつ伏せで寝ているので寝息が肌にあたる。
意識してしまうと変に恥ずかしい。
(ちょっと手が…当たってるし)
「う〜…起こそうかな…」
お腹の勘ちゃんも寝返りうたれてくすぐったい。
二人ともよくこの状態で寝てられるなと感心する。
まずはハチから。
「ハチ、ねぇ、ハチ起きて。」
ハチの肩をトントン叩いてみるが起きそうにない。
「ハチ〜?」
髪を撫でたり頬を弄ってみると、やっと反応を示してきた。
「…ン。…名無しさん。」
ふと、ハチの動きが止まり名無しさんの胸からゆっくり顔を上げた。
枕じゃないことにやっと気づいたか。
「…おはよ。ハチ。」
名無しさんの声に顔を向けるハチと目が合った。
その瞬間ガバッと上半身を起こし、手で顔を隠したが照れている様子が隠しきれてない。
ちょっと可愛いと思った。
「……おはよ。……ごめんな」
目をそらしながらも謝るハチ。